経理担当者は、会社の大切な事業資金や秘匿性の高い重要情報を取り扱う事もあります。
そのため、その人の適性等から、経理業務を任せて良いのかというのを会社が慎重に判断して仕事をしてもらいます。
そして、その経理担当者は、与えられた業務に誠実に取り組んでいたとしても、ひょっとしたら以前にミスをしてしまっているかもしれません。
繁忙時についうっかり経理処理を誤ってしまったり、
売上の請求内容を誤ってしまったり、
日常業務時には、今までのミスが気付かなくても、上司や後任者と引継ぎをしている際にミスが表面化する事もあります。
その様な時には、会社としてはどのような対処をすればよいのでしょうか。
ミスが発生した経緯を分析して明確にする
ミスには色々な種類があります。
・人為的なものなのか、機械的なものなのか
その人の行為により発生したものなのか、または、その人に関係なく、システムや仕組みにより発生してしまったのかという点です。
・意図的なものか否か
その人が故意に、意識をして引き起こしたものか、あるいは、意図せず無意識のうちに発生したものなのかという点です。
その他にも、外的要因又は内的要因なのか等というように、ミスがなぜ、どのように発生したのかを分析して明確にする必要があります。
リカバリーできるミスなのかを判断する
ミスが見つかった場合には、そのミスをリカバリーできるのかを考えなければなりません。
例えば、同じ事業年度中の経理処理ミスであれば、修正すれば事業年度末までに間に合うかもしれません。
また、ミスをしたという事は、関係者に不利益を与えていることもあります。
本当は月末締め翌月20日までに取引先に支払うところ、間違えて月末締め翌月末日に支払をしてしまったりすると、取引先では資金計画が違ってしまいます。
関係者が自社以外であれば、謝罪の連絡やミスへの対処方法等を速やかに確認しなければなりません。
そして、もし、リカバリーできない重要なミスが見つかった場合には、どのようにしたら良いでしょうか。
そのような場合には、社内の上司や関係部署、あるいは経営層まで一刻も早く報告をしなければならない場合があるかもしれません。
また、ミスの内容によっては、弁護士等の専門家や行政に相談し、状況によってはメディアを通じて公表しなければならない場合もあります。
まとめ
ミスが発覚した場合に大切なことは、速やかに次のような内容を退職する担当者と一緒に会社で対処する事です。
ミスがどのような経緯で起こったのかを明確にする。
リカバリーできるミスなのかを判断する。
ミスのフォローや再発防止策を決める。
担当者の退職時には、ミスが見つかる場合があります。
その担当者の粗探しをするのではありませんが、引継ぎ業務を円滑にする際に以前のミスが見つかった場合には、迅速・適切に、かつ、誠実に対応しましょう。