江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

知っておきたい、直営店とフランチャイズ店の経営スタイルの違いと各々の仕組み・メリット・デメリット。

知っておきたい、直営店とフランチャイズ店の経営スタイルの違いと各々の仕組み・メリット・デメリット。

はじめに

飲食店や小売業、美容室など、店舗ビジネスを展開するにあたり、

「直営店」と「フランチャイズ店(FC)」

のどちらの方式で事業を広げていくべきか、迷う方も多いと思います。

事業を成長させるために、

「どちらの方が利益が出るのか」

「将来的にスケールさせるにはどちらが良いのか」

等の疑問が生じます。

そこで、今回は、直営店とフランチャイズ店の違いについて、仕組みや特徴、メリット・デメリット等をお伝えします。

そもそも「直営店」と「フランチャイズ店」とは?

直営店とは

直営店とは、イメージとしては、企業(本部)が自ら出店・経営を行う店舗のことです。

店舗の立地選定や物件取得、内装、従業員の採用・教育、仕入れ、販売管理など、すべてを本部が直接管理・運営します。

つまり「すべて自社の管理・責任で運営する」事業形態です。

フランチャイズ店とは

これに対して、フランチャイズ(FC)店とは、本部(フランチャイザー)がブランドや経営ノウハウ、商品・サービスの提供などを行い、

加盟店(フランチャイジー)が店舗を運営する仕組みです。

そして、加盟店は、本部と契約を結び、初期費用(加盟金・保証金)や毎月のロイヤリティを支払うことで、

ブランドを使いながら独立開業ができます。

直営店のメリット・デメリット

メリット

1.経営コントロールがしやすい:スタッフ教育やサービス品質、ブランドイメージを一貫して管理しやすいです。

2.利益がすべて自社に帰属する:店舗が黒字化すれば、その利益はそのまま本部に帰属します。

3.迅速な改善が可能:トラブルや課題に対して、本部の判断で速やかな対応ができます。

デメリット

1.資金負担が大きい:出店費用、人件費、在庫管理などの負担を全て自社が負うことになります。

2.人的資源が必要:複数店舗のマネジメントには優秀な人材と組織体制が必要であり、その人材の数と人材の質が求められます。

3.リスクはすべて自社が負う:失敗して赤字になったとしても、自社に責任があり、他に責任を転嫁できません。

フランチャイズ店のメリット・デメリット

メリット

1.比較的少ないリスクでの事業拡大が可能:出店コストや人材育成の多くを加盟店側が担うため、本部は比較的少ないリスクで多店舗展開できます。

2.固定収益が期待できる:ロイヤリティによる収益モデルが確立できれば、安定した収益が得られるようになります。

3.現場力が高い:加盟店オーナーは自らが経営する立場なので、責任感があり、売上に対する意識も高いです。

デメリット

1.ブランドの統一管理が難しい:加盟店によっては、オペレーションや接客品質に差が出る場合があります。

2.トラブル対応が複雑化する場合あり:加盟店との契約問題や運営トラブルで法的対応が必要なケースがあります。

3.利益率が限定的:本部はロイヤリティを得るものの、直営店と比べると単店あたりの利益は少ないことがあります

 

なお、これらは、通常想定される各々のメリット・デメリットですが、各々の強みを活かして、

デメリットをメリットにするような取り組みもあります。

例えば、

FC店に一定の裁量を持たせて地域に応じた販売活動を行う事により収益力を向上させ、機動的な事業展開をしているグループもあります。

直営店とフランチャイズ店のどちらを選ぶべきか

直営とフランチャイズのどちらが「正解」というわけではありません。

重要なのは、自社のリソース(資金・人材・管理体制)と、中長期的な経営戦略です。

たとえば、

短期間で全国展開したい→フランチャイズ

ブランドイメージを守りたい→直営

キャッシュフローが安定している→直営でも可能

初期投資を抑えたい→フランチャイズ

というように、自社の状況に応じて選択肢を検討することが大切です。

まとめ:両者の特徴を正しく理解し、自社に合った戦略を

直営店とフランチャイズ店には、それぞれにメリットとリスクがあり、企業のステージや目標によっての最適解は異なります。

事業主の方には数字だけでなく、リスク管理・組織体制・長期的な視野等を持った上で、出店戦略を立てることをおすすめします。

特にフランチャイズ展開を検討するのであれば、契約内容や収益モデル、税務上・会計上の取り扱い、損益管理を正確に把握することが重要です。

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