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佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

令和2年度税制改正のお知らせ①:法人の消費税の確定申告について、申告期限が1月延長される事になりました

令和2年度税制改正のお知らせ①:法人の消費税の確定申告について、申告期限が1月延長される事になりました

法人であれば、毎年株主総会や取締役会を開きます。

その際には、会社の決算内容や役員報酬の改訂、役員の選任などが議題にあげられる事になります。

そして、株主総会等の開催のために決算報告資料を作ったり、株主を招集する等の対応をするには、いくつものプロセスがあり、また、作成書類も多いため、日数を要します。

そのような中でも、法人としての確定申告と納税については、事業年度終了の日から2ヶ月以内にしなければなりません。

しかし、2ヶ月以内に全ての手続きを終わらせるのは、会社にとって大きな負担になるため、法律で、所定の手続きで申請して承認を得れば、1ヶ月の申告期限の延長が認められます。
(2ヶ月またはその他一定期間延長できる場合もあります)

そのため、よくメディアで、3月決算の会社の株主総会が6月に開催されるのを見かけますが、こうしたプロセスを経てから申告するので、1ヶ月の延長が必要になります。

確定申告による「納税」については、延長は認められていません

確定申告については、1ヶ月の延長が認められるといっても、その確定申告の際に計算した国税(法人税や地方法人税)や地方税(事業税・地方法人特別税・住民税)の一定の税金については、同様に納税が1か月延長が認められるのかというと、そうではありません。

こちらは、その事業年度終了の日から2ヶ月以内に納税をしなければならない事となっています。

そのため、申告期限を1か月延長している3月決算法人であれば、5月の段階で計算した税金を納税して、その後に6月の確定申告までの間で追加の税金の納税が発生した場合には、その分の税金を支払うといった事もあります。

すると、6月に追加で納税した税金は、納税の期限が遅れている事になり、延滞に相当する税金を納税しますが、申告期限を延長している場合には、先程の法人税等の国税については「利子税」という名称で税務署へ納税します。
(地方税である事業税や住民税等については、延滞金という名称であり、こちらは、申告期限を延長している場合としていない場合でも、呼称は同じです)

利子税については、損金(経費)になります

ところで、この利子税については、その他の延滞税のように申告期限を延長していなくて期限後に納税した場合とは、税制の取扱いが異なります。

それは、

延滞税は損金(経費)にならないが、利子税は損金(経費)になる。

という事です。

これは、国税庁タックスアンサーでも掲載されていますが、国税の利子税や地方税の納期限の延長に係る延滞金は、納付した事業年度に損金(経費)になると規定されているのです。
(その事業年度の期間に対応する未納額を損金経理により未払金に計上したときは、その損金経理をした事業年度となります)

よって、利子税や納期限延長に係る地方税の延滞金については、その支払った後にその年度の税金計算をする際の所得金額を算出する際には、その他の延滞税や納期限延長をしていない分の地方税の延滞金とは、計算を区別しないといけません。

消費税についても、申告期限の延長が認められる事になりました

しかし、今までは、法人が確定申告する際には、消費税(地方消費税を含みます。以下同じ。)については、申告期限の延長は認められていませんでした。

そのため、法人税や地方税について確定申告期限を延長している場合にも、3月決算法人の申告であれば、消費税は5月末日までに申告して、法人税や地方税については、6月末日までに申告する事にしていました。

そこで、今回の令和2年度税制改正によって、法人については、所定の手続きにより、消費税も申告期限の1か月延長が認められる事になりました。

そして、この消費税の申告期限の延長の適用が受けられるのは、

令和3年3月31日以後に終了する事業年度末の属する課税期間から

になり、所定の期限までに一定の手続きをすれば、申告期限の延長が出来る事になりました。

なお、消費税の納税についても、申告期限が延長された期間分については、利子税を併せて納税する事になります。

まとめ

申告期限の延長をしている法人については、国税(法人税・地方法人税)と地方税(事業税・地方法人特別税・住民税)は1か月延長になっていたとしても、消費税の申告については、1か月延長になっていないため、確定申告期限に誤りがないようにしなければなりませんでしたが、令和2年度税制改正により、消費税についても延長が認められる事になりました。

そのため、所定の期限までに一定の手続きをする事により確定申告を同じタイミングで進めやすくなりましたので、消費税についても申告期限を延長しようと検討されている法人はその手続きスケジュール等を確認して進めるようにしましょう。

なお、これにより、消費税の納税についても、申告期限の延長された期間分の利子税の納税が併せて必要となる場合があり、また、その場合の経理処理や所得・税金計算についても誤りのないようにしましょう。

記事執筆者

税理士 佐藤充宏
東京都江東区で税理士事務所及びファイナンスコンサルティング会社を経営している佐藤充宏と申します。

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