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資金繰りの確保や雇用維持等の対策が急務になっています
新型コロナウイルスの影響は日本経済だけでなく、海外にも及び、国内取引や国際取引にもマイナス影響が出ています。
そのため、資金繰りが厳しくなってきている会社もあり、日々の運転資金を捻出するのも大変です。
そのような中でも、雇用を守り、従業員の生活を支えるために優先的に資金を確保しなければなりません。
しかし、毎年、税金の納税という、事業資金が外部流出する要因が出てきます。
事業活動に優先しなければいけないのに、納税資金も確保しなければならないのでは、この時期は会社にとって本当に厳しくなっています。
そこで、日本政府は、このような経済悪化を支援するために、いくつかの方針を公開しました。
税金の納税猶予の特例制度
今でも、税金の納税猶予制度は設けられています。
しかし、現行の納税猶予制度では、基本的に延滞税といった税金の納税が遅れたことによる利息が発生し、そして、猶予される税額も一部に限られています。
このような現行制度では、新型コロナウイルスの対策には適していないため、新たな納税猶予の特例制度が施行される予定です。
この特例の特長は、次のとおりです。
・延滞税が発生しない
・今年の2月1日以降に申告納期限が到来する国税(※)が対象
(印紙税を除いた,法人税,消費税,所得税,相続税・贈与税,源泉所得税等)
・令和2年2月1日以降の一定期間の収入が前年同時期と比べ大幅に減っていて、国税の納税が困難な場合に適用
・猶予される税金の額は、前年同時期と比べた減少額
なお、この納税猶予の適用を受けるためには、所轄の税務署に申請が必要ですが、通常の納税猶予では基本的に必要となる担保の提供は不要です。
欠損金の繰戻還付の適用対象を一定の中堅企業まで拡大
現行では、一定の要件に該当した中小企業については、前年度までに納税した法人税及び地方法人税の繰戻還付を受ける事が出来る事となっていますが、
この繰戻還付の適用を受けられる会社の範囲を拡大する事になります。
現在は、資本金1億円以下の一定の中小企業が対象ですが、これを一定の「中堅企業」にまで拡大する予定です。
売上が減少している中小企業むけの固定資産税の減免
ここまでの内容は国税に関するものになりますが、地方税にも支援策が織り込まれています。
そのうちの一つが、
令和3年度の固定資産税について、売上が減少した中小企業に対して、その売上の減少額に応じて一定額の固定資産税の減免をする方向で検討されています。
その他にも、税制面での新型コロナウイルス対策の支援策が検討されています
上記以外にも、いくつかの税制上の支援策を織り込む事が検討されており、いくつかを紹介致します。
・中小企業を対象として、テレワークに係る設備投資を税額控除等ができるようにする
・イベントの中止等で払戻しを受けなかった場合のチケット支払額を寄附金控除の対象にする
自社にとって活用できる税制上の支援策をチェックするようにしましょう
上記はあくまでの検討項目のものであり、実際の詳細はこれから決まる部分もありますが、事業活動にとって一番大切なのが事業資金の確保です。
事業資金を正常に循環させるからこそ、事業を継続させる事が出来るのです。
そして、納税支援策活用も念頭に置きながら、新型コロナウイルス対策をするようにしましょう。