年末になると従業員に対して年末調整を行います。
ところで、住民税については年末調整の制度はありませんが、これはなぜでしょうか。
所得税で年末調整を行う理由
所得税は、毎月の給与や臨時に支給する賞与から差し引かれますが、この際に計算されている所得税は、あくまでも概算での税額になります。
そして、1年分の給料の総額が決まった段階で、毎月の給与や賞与から差し引いた概算の所得税額の合計と1年間の給与総額等から算出した確定所得税額との差額を精算します。
つまり、毎月徴収されている所得税は概算で、年末調整で確定した所得税額を計算し、その差額を精算します。
個人住民税で年末調整を行わない理由
住民税には、毎月徴収する税額を概算で計算するという考えはありません。
個人住民税については、前年中の所得に対してその年の税額を計算をします。
例えば会社員であれば、令和3年分の給与収入等を基準に令和4年分の住民税額を計算します。
そして、この計算された税額は概算ではなく確定になります。
そして、その確定した税額を毎年6月から来年の5月までの給与支給の際に特別徴収という形で住民税を徴収し、所定の期限までに納税をします。
このように、住民税は前年中の所得等を基準にその年の確定した住民税を計算して徴収するため、年末調整のように概算額と確定額の税額の精算をする必要がありません。
【前回内容】
住民税特別徴収のギモン14:外国人の従業員の方を雇用する場合に知っておきたいこと
【次回内容】