申告期限の延長特例等を受けている方以外は、令和3年分所得税の確定申告は終了していると思いますが、確定申告の時期は、
毎年慌ただしく、期限に間に合うように所得金額や所得税を計算して申告や納税をしていて、内容を振り返る事があまりないという話を聞きます。
そして、コロナ渦においては、所得税の収入金額となる各種助成金や給付金等を受け取って、令和3年分の本業の収支状況によっては、例年以上に所得金額が大幅に増えて、
所得税が課税された人も今回は出てきています。
ところで、この所得税は、超過累進課税といって、 所得税の税率は、所得が多くなるに従って段階的に高くなり、
納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担する構造になっています。
そこで、今回は、その所得税の税率についてご案内します。
現行税制では、税率は7段階に区分
平成27年分以降は、所得税の税率は、分離課税に対するもの等を除くと、次のように5%から45%の7段階に区分され、さらに、所得に応じて控除額が定められています。
国税庁ホームページでも提供している所得税の速算表では次のとおりとなっています。
所得税の速算表 課税される所得金額 税率 控除額 1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円 1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円 3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円 6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円 9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円 18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円 40,000,000円 以上 45% 4,796,000円
例えば、課税される所得金額が10,000,000円であれば、速算表では、9,000,000円から17,999,999円の範囲となり、次の算式になります。
10,000,000円×33%-1,536,000円=1,764,000円
復興特別所得税
所得税以外にも、確定申告の際に一緒に申告する税金が復興特別所得税です。
これは、東日本大震災の復興財源として制定されたもので、平成25年分から令和19年分までは、復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付します。
なお、復興特別所得税の税率は、原則として、その年分の基準所得税の2.1%になります。
まとめ
現行法令では、所得税は超過累進課税として、所得税の税率は、所得が多くなるに従って段階的に高くなり、
納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担する構造になっていて、分離課税に対するもの等を除くと、5%から45%の7段階に区分され、さらに、
所得に応じて控除額が定められています。
また、平成25年分から令和19年分までは、原則として、その年分の基準所得税の2.1%に相当する復興特別所得税を納税する事になりますので、
所得税の確定申告をする際には、事前にどれくらいの税金が見込まれるのかを計算しておきましょう。