適格請求書発行事業者に登録するかどうか検討している際に気になるのが、
適格請求書の交付は義務なのか。
適格請求書を交付しなくて良いのはどのような場合なのか。
等があります。
そこで、今回は、適格請求書の交付義務についてご案内します。
適格請求書の交付が義務となる場合
適格請求書発行事業者は、
国内で課税資産の譲渡等を行った場合には、
相手方からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています。
※適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます。
なお、この場合の相手方は、
課税事業者
に限られます。
適格請求書の交付義務が免除される場合
全てのケースで適格請求書の交付を義務にしてしまうと、事業の性質上、その交付が困難な場合も想定されるため、次のケースでは、交付義務が免除されます。
1、3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
2、出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
3、生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
4、3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
5、郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
上述の交付義務が免除されるおおまかなイメージとしては、次の3つになります。
A、3万円未満の取引の場合
・公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
・自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
B、一定の生鮮食料品や農林水産物等の販売
C、郵便ポストに差し出された郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス
まとめ
適格請求書発行事業者は、基本的には、国内で課税資産の譲渡等を行った場合には、課税事業者である相手方からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されていますが、
一定の取引については、交付義務が免除される場合がありますので、自社の取引が、交付義務免除の有無のどちらに該当するのかを事前に確認しましょう。