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在庫について
卸売業や小売業・製造業等の会社では、商品や材料を仕入れて、最終的に商品や製品として顧客へ販売します。
そして、顧客へ販売する際には、その市場で販売可能な数量を予め見込んで確保します。
そこで、販売後には、商品や製品について大別すると、
・予想を上回る販売だったため、在庫が残りわずかになった
・予想を下回る販売だったため、在庫が残りすぎてしまった
のいずれかになります。
ところで、決算の際には、棚卸を行なって、その時点での在庫数量を調べて、一定のルールで決められた在庫毎の単価を乗じて(単価×在庫数量)、棚卸の金額を決めます。
この金額の大小によって、会社の経営成績に影響を及ぼす事になります。
一時的にニーズのある在庫
その時のトレンドによって、売れる商品があります。
そのような商品の場合には、
売り時
というのがあります。
今この時期でないと売れないもの
という事です。
このような商品はニーズのある時期に出来る限り販売して売上を上げる必要がありますが、
多く仕入れ過ぎて余剰在庫が発生してしまったらどうなるのでしょうか。
その時期を逃すと、その商品のニーズは先細りになり、在庫を抱えているだけでコストが膨らむ事になります。
そのため、余剰在庫を抱えないようにコントロールしなければなりません。
状況によっては、消費者ニーズが終了を迎える頃には、販売価格を下げるなどの対策が必要です。
定常的に一定数量が必要な在庫
これに対して、いつも一定数量の在庫が必要なものもあります。
季節や市場環境に大きく影響されずに、安定したニーズがあるものであれば、一定数量の在庫が必要です。
しかし、そのような在庫でも、ずっと安定した価格で仕入れる事が出来るわけではありません。
そのため、仕入価格の変動を見極めながら、在庫数量が一定以上減らないような構えを組まなければなりません。
例えば、数か月後には価格が上昇しそうな場合には、価格上昇前にいつもより数量を多めに仕入れて(陳腐化等がしない場合に限りますが、)、
価格上昇時には、仕入数量を少なめにします。
そうすれば、一時的に在庫は多くなりますが、その多くなった分を少なめに仕入れた際に充てれば良いのです。
もちろん、在庫保管スペースを確保したり、その他にも色々な対策をしなければなりませんが、安定的に数量を確保するのであれば、その在庫数量に見合った仕入調整をする必要があります。
在庫の回転率について
在庫の回転率というと、いくつかの定義がありますが、イメージとしては、その商品をどれくらいのサイクルで販売できるのかという感じになります。
短いスパンなのか、長いスパンなのかによって、その在庫をどれだけ保有していたら良いのかが分かります。
この回転率を考慮する事によって、販売数量の見積やそれに応じた在庫数量というのが見えてきます。
まとめ
新型コロナウイルスの影響により、在庫管理方法の見直しが求められる場合があります。
その時点の顧客ニーズを考えて適正数量・適正価格の在庫を保有するのは、いつの時代も一緒です。
自社の在庫管理方法柔軟的に見直して、適切な在庫管理をしましょう。