江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

気になる電子化情報その1:東京信用保証協会から発行される信用保証書の電子化の動きが出てきています

気になる電子化情報その1:東京信用保証協会から発行される信用保証書の電子化の動きが出てきています

菅内閣の誕生により、電子化の流れが加速しています

先日より、安倍内閣から菅内閣となり、既にいくつかの改革路線が打ち出されていますが、その中で注目されているものの一つが、

「電子化」

です。

日本は、諸外国と比較して、電子化の普及が遅れているといわれています。

今でも、書面(ペーパー)でのやり取りが多く、また、捺印制度も残っています。

電子化の場合は、ペーパーと比べて、意思決定のスピードが上がり、事業を行なう上で、

「次の一歩」の初速

が各段に上がります。

今の時代は、スピードが大切です。

そして、電子化により、コストも削減されるため、以前から電子化の普及は望まれていた事なので、こうして電子化の普及がより多く、そして、早く広がってもらいたいです。

そこで、今後は、こちらのブログや弊所ホームページを通じて、電子化に関するご案内もしていきたいと考えていますので、よろしくお願い致します。

第一弾は、東京信用保証協会から発行される信用保証書の電子化です

本日、日本経済新聞で掲載されていた記事になります。

多くの中小企業が、金融機関から融資を受ける際に、信用保証をどうするのかというハードルがあります。

金融機関も、融資したお金をきちんと回収する事が出来ないと、経営が悪化し、顧客にも迷惑がかかってしまいます。

そのため、この信用保証が付いていると、融資の審査もスムーズに進み、金融機関も融資をしやすくなります。

そこで、この信用保証をする金融機関が、

「信用保証協会」

です。

この信用保証協会は、全国にあります。

ちなみに、この全国の信用保証協会を会員としている組織が一般社団法人全国信用保証協会連合会です。

そして、今回は、そのうちの東京信用保証協会で発行される信用保証書の電子化について取り上げていきます。

 

信用保証協会は、信用保証書を印刷して金融機関に渡すというプロセスがあります

上述で、信用保証を信用保証協会が行いますが、その際に、信用保証書を発行します。

そして、この信用保証書は、ペーパーでやり取りされています。

信用保証協会が関与する場合の融資の流れ

当事者としては、次の3者が関わってきます。

中小企業

金融機関

信用保証協会

1、会社と金融機関との間での相談

会社が融資を受ける場合には、通常、金融機関担当者と事前に相談し、融資が可能かという事を話し合ったり、金融機関が会社に対して直接融資(プロパー融資)をするのか、信用保証協会を通して融資をするのかを検討します。

2、会社が金融機関に対して融資申し込み・保証申し込みをします

信用保証協会を通して融資をした方が良いと判断した場合には、会社が金融機関に対して必要書類を作成・準備して提出し、融資の申し込みと保証の申し込みをします。

3、信用保証協会へ金融機関が保証の依頼をします

金融機関は、会社が信用保証の申し込みをしてきたことに対して、信用保証協会へ信用保証をしてもらうように依頼をします。

4、会社と信用保証協会との間で面談があります

信用保証協会では、融資の申込者と面談を行ないます。

そして、通常は、その面談の後に信用保証に関する申込書を渡して、その記入した申込書とその他の必要書類を一緒に会社が信用保証協会へ提出します。

5、信用保証協会内で審査があります

会社から提出された申込書類の内容に基づき審査をします。

そして、信用保証する事に承認が下りれば、金融機関に対して融資の斡旋をします。

6、金融機関内で審査を行ないます

金融機関と信用保証機関は立場が異なります。

融資をするのは金融機関。

信用保証するのは信用保証協会。

各々の立場で審査が必要なため、信用保証が付いた状態で、融資が可能か、融資申込額が適切か等を審査します。

7、金融機関の承諾後に「信用保証書」が発行されます

金融機関内で審査の承認がされると、保証協会が信用保証書を発行します。

8、金融機関から会社に対して融資が実行されます

金融機関では先程の信用保証書の内容に基づいて融資を実行します。

そして、融資実行時には、信用保証協会へ支払う信用保証料や金融機関に支払う利息や印紙代等が融資額から差し引かれて、会社の口座に着金になります。

9、金融機関への借入金や利息の支払いを会社が行います

融資が実行された後は、返済条件に従って、借入金の元金と利息を金融機関に対して会社が支払います。

 

なお、保証協会への申し込みは、金融機関経由で申し込みされる方法以外にも、会社が直接申し込む場合もあり、また、商工会議所経由で申し込みされる場合等もあります。

そのため、その時の申し込み状況により、上述の流れが変わる場合もあります。

信用保証書が電子化になる事のメリット

上述の7いて、保証協会が信用保証書を発行しますが、これはペーパーで発行されます。

そして、この信用保証書は金融機関に渡されるのですが、

その渡し方は、

・金融機関へ郵送

・金融機関担当者が信用保証協会へ直接取りに行く

という事が基本になっています。

その時の至急性の度合い等により、金融機関側での信用保証書の入手方法が異なりますが、

・郵送の場合には、所定の日数がかかる

・金融機関担当者が取りに行く時間を捻出しなければならない

・信用保証書の紛失リスク

という点が課題としてあります。

金融機関や信用保証協会は、会社の事を考えて、少しでも早く融資を実行したいと考えていますが、この信用保証書のやり取りの日数を減らす事が出来れば、その分融資の実行を早くする事ができるのはもちろん、手間やリスクを軽減する事も出来ます。

なお、千葉や富山での信用保証協会での導入は進んでいるようですが、今回は冒頭の東京信用保証協会での電子化が取り上げられました。

まとめ

拙著「賢い事業資金の集め方・使い方・貯め方」でもご紹介していますが、事業資金は会社にとっての血液です。

常に循環し、滞る事の無いようにしなければなりません。

この事業資金を調達する際に、中小企業の多くは信用保証協会の信用保証を付けて金融機関から融資を受けます。

そのため、信用保証協会が発行する信用保証書のやり取りの時間を短縮できれば、その分早く会社が事業資金を調達できます。

今回は、東京信用保証協会で一部金融機関が先行実施しますが、この流れがより多くの金融機関、そして、全国の信用保証協会でも実施され、会社の資金調達により役立ってほしいと思っています。

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