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年度予算編成は、新たな決意表明でもあります
3月決算の会社であれば、2020年3月以前には、2021年3月期の年度予算を基本的に決めます。
そして、その予算の中には、資金繰り計画はもちろん、売上、生産数量・販売数量、採用者数、原価、人件費、変動費その他の経費、市場開拓、新製品開発、新規顧客獲得件数等を織り込みます。
この予算編成方法は会社によって異なりますが、成長・発展を目指す会社としては、この年度予算編成は、新年度を迎える会社の「決意表明」であり、その決意を全社一丸となって目標達成に突き進むのです。
予算編成しても、その後にやるべき事はあります
予算を策定するのも大変です。
会社によっては、数か月をかけて、通常業務の空いた時間に関係部門と調整をしたり、取引先と連絡を取って、やっと予算が確定すると、今後は次の年度の予算編成が間もなくやってくるという事もあります。
そのような中で、新年度予算を策定した後は、他のやるべき事に取り掛かりますが、この予算が決まったら、今度は、その予算に対してやるべき事があります。
それが、いわゆる振り返りです。
予算と実績との定期的な比較は経営戦略上欠かせません
予算というのは、「予め算定」しているものですので、実績とは異なる場合があります。
通常は、数値化をして、その数値目標達成を指針として行動しますが、この目標が達成できたのかを検証しない事には、次のような問題点が出る場合があります。
予算編成時には想定していなかった市場の急変や顧客ニーズの移り変わりがあった。
当初の目標設定に誤りがあったために、思うような成果が出ない。
このような問題点が出た時には、その改善策を考えるのはもちろんですが、なぜそのような事が発生したのかを検証する必要もあります。
そうしないと、根本的な改善とならず、また、当初予算として設定した目標が達成しないようであれば、経営上ダメージを受ける事もあります。
そのため、予算と実績との定期的な比較は、経営戦略上欠かす事が出来ません。
予算と実績の振り返りはストレスやプレッシャーを感じますが、会社の成長・発展には必要なプロセスです
予算と実績の比較をしていると、目標達成できている部分と達成できていない部分があるのが分かります。
そして、会社組織の中では、その数値に対して責任を持っている部門があり、そして、担当者がいます。
もし、この売上が予算達成していない、いわゆる「未達」になっているとしたらどうなるでしょうか。
製造過程のトラブルにより生産数量が追い付かなければ、製造部門のどこにそのトラブルの理由があるのか、
顧客獲得数が目標数より少なければ、営業担当がなぜ目標数分の契約を獲得できなかったのか、
といった事が社内では検証されます。
もちろん、全社としてプロセス上問題はなく、外部環境の急変により未達となる事もありますが、予算と実績に乖離がある場合には、その予算担当部門・担当者はその責任を負う部分が出てきます。
そのため、予算と実績の振り返りは、緊張する時であり、同時にストレスやプレッシャーを感じる時でもあります。
出来れば、このような状況は避けたいと思うかもしれませんが、これは避けては通れないプロセスです。
そして、この振り返りをし、改善を繰り返す事により、会社の進むべき方向性がより正しく修正され、成長・発展への道のりが最短距離に近づいていくのです。
まとめ
2020年も10月中旬にさしかかります。
年末が近くなってくると、2020年の業績というのが気になるようになってきますが、予算と実績との振り返りがなかなか出来ていない場合には、これから振り返りをして、年末までに必要な軌道修正をし、スッキリとした気分で年越しを迎えられるようにしましょう。
そして、予算といったものではなく、簡単な売上目標や事業資金の増加、従業員数の増加という目標だけを立てていた場合でも、その目標が今年達成できているのか、達成できる見込みなのかを今のうちに検証しましょう。
振り返りをする事は、客観的に事業を見つめる良い機会でもあります。
会社の成長・発展のために、振り返りする時間を設けてみてはいかがでしょうか。