資金繰りを考えるなら、売上だけでなく、利益をどのように増やすのかを考えましょう
飲食店や卸売業・小売業・製造業・金融業・建設業、IT関連事業など、様々な業種が日々商品やサービス開発に取り組み、事業の成長・発展にむけ努力しています。
その事業の成長・発展に欠かせないのが、事業資金をどのように循環させるのかという事です。
そのため、事業資金を増やすために、日々の売上を増やす事に注力している会社もあります。
もちろん、売上を確保する事は大切ですが、合わせて考えなければならないのが、
「利益を増やす」
という事です。
例えば、現金商売で売上が1,000万円確保できたとして、そこから仕入代金が750万円、人件費や外注費が120万円、販促費用が80万円とすると、
事業資金が増える額は、
1,000万円ー750万円ー120万円ー80万円=50万円
です。
一方、
現金商売で売上が1,000万円、仕入代金が600万円、人件費や外注費が100万円、販促費用が50万円とすると、
1,000万円ー600万円ー100万円ー50万円=250万円
という経営数値が出てきたとします。
このように同じ売上だとしても、利益が50万円と250万円とでは、どちらが事業資金が増えるでしょうか。
答えは、もちろん250万円です。
商品やサービスの販売価格を決める際には、原価と経費を一緒に考えなければなりません
誰でも、売上が計上出来ないと心配です。
売上がないと、従業員に給料を支給できない、材料を仕入れられない・・・
不安が頭の中から離れずに、眠れない日々が続く事さえあります。
そのため、特効薬として、売上をどんな形でも確保できるようにしたいと、赤字覚悟でセールをして顧客獲得してその後も引き続きその顧客に購入してもらいたいとしても、体力が持たないかもしれません。
赤字覚悟でも売上を確保した方が良い時もありますが、その前に、採算の取れる販売価格を決めなければなりません。
そこで、商品やサービスを開発・販売する際には、販売価格だけでなく、原価や経費がどれくらいかかるのかを事前に見積もらなければなりません。
販売価格は60万円でも、その販売に要する原価や経費が100万円では、40万円の赤字です。
もし、それが主力商品で、その後の経営戦略でも赤字が改善されないのであれば、いくら販売しても赤字が積み上がるだけです。
よって、「商売として成立する販売価格」を設定しなければなりません。
もちろん、
組み合わせ販売で、原価率の高い商品と低い商品を両方販売して、適正水準の利益が確保できる方法にしたり、
同じ商品でも、最初は赤字が出る価格で販売して商品を認知してもらい、その後に顧客ニーズを高めて、量産によるコスト削減によって利益を出す
という方法もあります。
その他にも販売戦略はいくつかありますが、大前提は、
「商売として成立する販売価格」を設定するという事です。
まとめ
売上を多くしても、利益がなかなか出ない事があります。
そのような時には、その商品やサービスの販売価格が適正であるのかを考えましょう。
会社が支払う仕入代金や経費はある程度見積もる事が出来、出来るだけ削減していれば、利益を出すには、
「販売価格が適正であるのか」
を検証する必要があります。
販売価格は、その商品力や市場のニーズ、将来的な価格戦略等も考慮しながら決める必要がありますが、そもそも、
「商売として成立する販売価格」
にしなければなりません。
売れる商品やサービスである事は大切ですが、利益が出る販売価格にする事も大切です。