江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経理部長になるには:その9「担当者が複数名いる場合には、具体的な名前を挙げて、誰がなぜその業務をするのかを明確に伝えて、未着手がないようにしましょう」

経理部長になるには:その9「担当者が複数名いる場合には、具体的な名前を挙げて、誰がなぜその業務をするのかを明確に伝えて、未着手がないようにしましょう」

会社が成長してくると、各部署での所属者の数が増えてきて、役職者も増えてきます

会社が成長し、所属者が増えるという事は、その部署でやるべき事もそれなりに多くなっています。

そのような中で業務をしていると、管理職側から見て、ある業務については、複数名の担当者が関わっている事があり、その部分の業務をどのように差配するのかを悩まれるケースがあります。

例えば、取引先から受け取った請求書を整理するにしても、AとBという人がその請求書の取扱いに関わっていた場合には、どのような事が想定されるでしょうか。

課長「AさんとBさんのどちらかが整理してくれるだろう」

Aさん「課長から指示されるまではそのままにしておこう」

Bさん「Aさんが整理してくれると思う」

といった事があるかもしれません。

言葉に出さなければ相手に通じない事もたくさんあります

数日後、課長が署内を見渡したところ、まだ整理されていない請求書を見つけた時に

課長「あれっ?Aさん、Bさん。請求書の整理はまだおわっていないんですか?」

Aさん「課長から指示があるまでそのままにしておこうと思っていました。」

Bさん「てっきりAさんがすると思っていました」

というような事が起こり得ます。

課長からしてみれば、AさんとBさんが関わっているのなら、二人で話して整理していると思うかもしれませんし、Aさん・Bさんにしてみれば、各々の考えで対応していたところ、課長からまだ整理が出来ていないとの話があると、少し戸惑うかもしれません。

日常のちょっとしたことですが、これが重要業務に関わるような事があってはいけません。

全ての業務プロセスについてマニュアル化出来れば良いのですが、どうしても全て織り込むことが出来なかったり、また、織り込むのが漏れている事もあります。

このような、いわゆる野球でいうところの「三遊間のゴロ」をサードの選手が捕球するのか、ショートの選手が捕球するのかをきちんと決めておかなければなりません。

管理者が具体的に名前を挙げて指示しましょう

誰もが、自分がやるべき業務に専念できるのが一番仕事がしやすいです。

しかし、部署内の仕事は誰かがやらなければなりません。

そして、その仕事をすることによって、自分の業務量が増えるので、出来ればやりたくないと考える場合もあるかもしれません。

管理者も、署内の担当者の負担が増えるような業務を差配するのは気がひけるかもしれず、また、差配する事によって、差配された担当者から不満の声を聞くかもしれません。

AさんとBさんとの間でうまく解決してくれれば良いと思ってしまうと、解決せずに請求書は整理されずにずっとその場所に置かれたままになっていると思います。

そこで、そのようになる前に、

「Aさん(又はBさん)、請求書の取扱いが終了したら、整理しておいて下さい」

管理者が明確に伝えるようにしましょう。

そして、その際に大事なのが、その業務をその人がおこなう理由をきちんと伝える事です。

ただ理由もなくやってもらうというのであれば、その業務をする人にはモヤモヤやわだかまりが残ってしまいます。

その仕事をやるべき理由を伝え、出来る限り納得してもらうようにするのです。

例えば、

「この請求書は振込処理が終わったら速やかに整理してファイリングする必要があるので、振込処理の担当であるBさんが振込処理後に整理してファイリングまでして下さい」
というように伝えましょう。

(場合によっては、マニュアルに織り込みましょう)

指示されたBさんも、自分の仕事が増えると思うかもしれませんが、業務の円滑な流れからBさんが適任であると納得すれば、請求書の整理をします。

もちろん、Bさんの業務が増える事によって、Bさんに抱えきれない負荷がかかるのであれば、その他の負荷を減らせるように管理者が考えれば良いのです。

大切なのは、

「明確に担当者に伝える」

という事です。

まとめ

管理者は、担当者とは違う目線で業務を俯瞰して見ています。

すると、管理者の視点で気付く事も多いですが、その視点は担当者では気付かない事も多いです。

また、担当者には分かっていても、自分がやるべき業務か否かは、管理者に指示してもらえないとできない事もあります。

そのような時には、事前に、担当者に気付いてもらえるようにきちんと説明し、

誰が、

何のために、

どのように、

業務をするべきなのかを明確に伝えましょう。

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