年末調整の電子化は、今まで紙でやり取りしていたものをデータでやり取りする事になります。
そのためデータをやり取りする際や管理する際にはセキュリティ対策が万全である必要がありますが、具体的にどのような事を考える必要があるのかにつき、今回はご案内致します。
目次
いくつかのパターンでセキュリティを考える必要があります
年末調整の電子化を行なうという事は、会社の総務経理担当者が使う端末と従業員が使う端末の双方でのセキュリティを考える必要があります。
そのため、会社側と従業員側で使用する端末によって考えます。
また、年末調整申告書を作成するソフトウエアが、国税庁が提供しているソフト(年調ソフト)を使用するのか、又は、民間のソフトウエアを用いるのかによっても違います。
個別のケースによっては運用ルースを決める必要がありますが、大きくは、
・会社側と従業員側で使用する端末
・年調ソフトを使うのか、民間ソフトウエアを使うのか
の2点で考えます。
そして、今回は従業員が会社の端末を使用して民間ソフトウエアにてデータ取得等をおこなう場合ついてご案内します。
この場合には、従業員が取得する保険料の控除証明書等のデータは会社の端末に収納されるのですが、次のパターンでデータが取得されますので、それぞれのパターンで説明しますが、従業員の端末がインターネットに接続できる設定になっている必要がありますので、念のためご確認をお願いします。
1、マイナポータルからデータ連携する
ところで、マイナポータルへログインするには、
「マイナポータルAP」
というものをダウンロードする必要があります。
そのため、社内では、
(1)従業員の端末にダウンロードする事について、セキュリティ規定上問題がないのかを確認する。
↓
(2)ダウンロードするのが問題なければ、マイナポータルAPを次のいずれかの方法でダウンロードする。
①管理者権限を用いて従業員の端末にマイナポータルAPを配布する。
②各々の従業員にマイナポータルAPをダウンロードしてもらう。
2、会社の端末から保険会社等のインターネットサイトにアクセスしてデータをダウンロードする
この場合には、マイナポータルAPをダウンロードする必要がないので、従業員が保険会社等のサイトにアクセスして、控除証明書等のデータをダウンロードする事が出来るようなセキュリティ対策を取っていれば大丈夫です。
その他にも、自宅でダウンロードした控除証明書等のデータをUSBメモリ等で会社の端末に読み込ませる方法もありますが、実際には、プライベート端末でのバックアップデータを会社端末に読み込ませるのは、会社のセキュリティ上、ハードルが高くなりますので、こちらの説明は今回は省略します。
まとめ
上記以外にも、国税庁が配布している年調ソフトを用いたり、従業員自身の端末を用いるパターン等がありますが、どのパターンを取るにしても、会社の端末に今までダウンロードやバックアップした事のないデータを取り込む事になりますので、対応パターンを検討する際には、必ず、セキュリティ上問題がないのかをチェックしてから、実際の運用に入るようにしましょう。