現在は新型コロナウイルスの影響により、経済活動が停滞している部分が多くありますが、この苦難を乗り切った後には、今までのように、そして、今まで以上の成長・発展を目指している会社も多いはずです。
そして、更なる成長・発展のためには、会社にとってのかけがえのない財産である「人財」を採用しようと考えている場合もあるのではないでしょうか。
そこで、今回は、人財を新たに採用する事により追加でどれくらいの人件費等が発生する事になるのかを見ていきましょう。
目次
1、給与・通勤交通費
通常、人件費といってすぐに思いつくのが、その人に対して支払う給与をイメージしますが、実際には、その他にも多くの経費が発生しますが、まずは人件費について見ていきましょう。
人件費といっても、会社の事業規模や予算、現在・将来の成長の伸びしろにより、従業員の給与テーブルを作成して、年間として支払う金額、会社の成長と従業員の成長に応じて設定される昇給額、その人のパフォーマンスに応じた賞与などの一時金を決める事になります。
いくら優秀な社員といえども、会社の資金繰りが悪化してしまうような給与を支給しては大変な事になってしまいます。
会社として、その人財に応じた給与額を決めて、入社した年、そして、今後も支給できるようにしなければなりません。
新入社員に入社してもらうという事は、その会社の戦力として貢献してもらい、会社の成長に直接的・間接的にかかわってもらうようにしなければなりません。
そのためには、経営者は、会社が成長するように行動していかないと、今後も給与を支給する事が出来なくなってしまうので、より一層頑張る必要があります。
給与の決め方だけでも、一冊の本が書けるくらいになる程深い話です。
そのため、給与を決めるには、現時点だけでなく、将来を見据えて、会社全体として、そして、本人にとっての適正額というものを見ていかなければなりません。
また、給与支給の際には、その人の通勤交通費の確認の必要になります。
2、社会保険料
給与を支給するようになると、社会保険の加入事業者であれば、社会保険料の支払いが発生する事になります。
そして、この社会保険料には、組合管掌のものや政府管掌のものによって、保険料の料率が異なったりしますが、今回は政府管掌の社会保険をご案内します。
社会保険料と呼ばれるものには、
健康保険料
厚生年金保険料
子ども子育て拠出金
があります。
そして、これらの保険料は、時期によって改訂も行なわれます。
また、健康保険料と厚生年金保険料は、会社と従業員各々で折半して負担する事になり、子ども子育て拠出金は、会社が全額負担する事になります。
なお、この支払は、毎月末日に発生し、従業員への給与支給時に従業員負担の社会保険料を差し引きます。
3、労働保険料
労働保険には、労災保険と雇用保険があります。
雇用保険料は、会社負担分と従業員負担分があり、労災保険料は、会社が負担する事になります。
なお、この労働保険の申告は毎年一回行い、分割して納税する制度もあり、従業員への給与支給時に従業員負担の雇用保険料を差し引きます。
そして、ここからの内容は、給与支給時に関係するものではありませんが、人件費の管理として経営上は大切な話になります。
4、家賃
自社所有でなければ、事務所や店舗を構えていれば、毎月家賃の支払が発生します。
この家賃の支払は、その場所の立地やスペースや相場等によって決まります。
もちろん、スペースが広ければ広いほど、家賃負担が増す事になります。
そして、この場所を使用するのは、基本的に全従業員です。
そのため、全従業員に業務をして頂くための必要コストです。
よって、家賃のうち、従業員一人あたりが負担する事になるコストを経営者は把握しなければなりません。
5、備品や設備、光熱費・通信費等
従業員の方に快適に仕事をしてもらい、そして、高いパフォーマンスを上げてもらうには、PCを追加購入したり、その他の備品や設備の購入が必要になります。
また、事務所や店舗で仕事をしていれば、電気代やガス代・水道代、電話代やインターネット利用料なども発生します。
6、教育コスト
これは非常に大切な部分になります。
新入社員が入社した場合には、その人にやるべき事を伝えなければなりません。
もちろん、業務マニュアル等が整備されている事により、効率的に業務を覚えてもらう事も出来ますが、業務内容によっては、他の人が指導する部分も必要になってきます。
すると、ここで社内の他の従業員が関わるのであれば、その従業員が教育や指導にかけた分のコストも発生するのです。
そして、場合によっては、外部研修を受ける事によりコストが発生します。
指導・教育する事により、新入社員が即戦力となる日が早くなり、そして、成長も早くなります。
会社としては、欠かせられないコストです。
7、求人コスト
上述までは、新入社員が入社後に発生する費用ですが、もちろん、入社以前にかかる費用があり、その代表的なものが、求人コストです。
そして、会社が必要とする人財を採用するには、それに見合った求人媒体が必要です。
求人広告サイトへの掲載料、人材紹介会社を活用するのであれば、採用時のフィーが発生します。
優秀な人財を確保するのが、会社の成長にとっても大切なので、求めている人財や求人予算を考えながら、求人コストを決めましょう。
まとめ
新入社員を採用するにしても、次のようなコストが発生します。
給与・通勤交通費
社会保険料
労働保険料
家賃
備品や設備、光熱費・通信費等
教育コスト
求人コスト 等
といったものを事前に見込んで、そして、その人の成長に見合ったコストも負担できるような体制にしておかなければなりません。
上記以外にも発生する場合はその分も見込み、また、配属部署によっては、その部署独自で追加で発生するコストもあります。
新入社員を採用するのであれば、資金繰りや教育体制を整えて、採用後も臨機応変に、より良いサポート体制を組んで、従業員、そして、会社が成長できるようにしましょう。