事業をしていると、所得税や法人税、消費税、事業税、住民税といった税金の申告をする機会が多いですが、ついうっかり見落としてしまう税金があります。
それが、「事業所税」です。
「えっ?今までうちの会社は事業所税の申告をした事がないんだけど、申告漏れになっているっていう事なのかな?」
と心配になる経営者や経理責任者がいるかもしれませんが、全ての会社に一律に課税されるものではありません。
そこで、今回は、事業所税とはどのような税金なのかを知って、会社として申告が必要なのか、そして、申告が必要な場合には、どのようにすれば良いのかについて、東京都を例に概要についてご案内致します。
目次
事業所税とはどのような税金か
一定規模以上の事業を行っている事業主に対して課税される税金です。
そのため、その規模に達していなければ、事業所税の納税は必要ありません。
そして、事業所税は、地方税法で定められた都市だけで課税され、東京都では、23区内において特例で都税として課税されるほか、
武蔵野市・三鷹市・八王子市・町田市の4つの市で課税されます。
事業所税の納税義務について
次の2つの区分の規模で事業を行なう法人又は個人が該当します。
1、資産割
事業所等の床面積の合計が「1,000㎡」を超える規模
※この事務所等については、事務所や店舗、工場・倉庫等が該当し、自社所有分だけでなく、賃借して使用している場合も含まれます。
2、従業者割
事業所等の従業者数の合計が「100人」を超える規模
そして、この1,000.㎡と100人を免税点といって、この免税店以下であれば、事業所税の納税は発生しません。
なお、この納税義務の判定時期は、次の時点での現況によって、資産割・従業者割毎に判定します。
(その他、免税店を超えるかどうかの判定が必要な場合もあります)
法人:事業年度末日
個人:12月31日
事業所税の納税額の計算方法
先程の2つの区分に応じて次のように決まっています。
1、資産割
事業所の床面積(㎡)×600円
2、従業者割
従業者の給与総額×0.25%
事業所税の申告期限
法人:事業年度終了の日から2か月以内
個人:事業を行なった年の翌年3月15日まで
事業所税の申告先
主たる事務所等の所在地を所管する都税事務所
事業所税には、申告期限の延長はありません
事業所税は地方税の一つであり、法人が申告する地方税には、その他に事業税や地方法人特別税・住民税などがあり、
これらの税金は、所定の手続きにより、申告期限を延長する事が出来ます。
しかし、この事業所税については、申告期限の延長制度がないので、注意が必要です。
まとめ
このように、事業所税については、地方税法で定められた都市だけで課税され、その会社の床面積や従業者数を基準として納税の有無が判定され、納める金額も各々のに基づき所定の税率を乗じて計算され、法人と個人毎に申告期限が定められています。
しかし、事業所税については、その状況により、納税義務の判定や非課税・減免等が定められ、申告方法や申告先等についても留意が必要です。
そのため、自社についての事業所税の取扱いの確認をする際に不明点等がありましたら、都税事務所等または税理士等に問い合わせをするようにしましょう。