江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

店舗・事業者側は、7月1日からのキャッシュレス決済のポイント還元対応のその後を考えましょう

店舗・事業者側は、7月1日からのキャッシュレス決済のポイント還元対応のその後を考えましょう

昨年と比べて、多くの取引で、キャッシュレス決済が広がりを見せています。

QRコード決済、クレジットカード決済、デビットカード決済など。

キャッシュレス決済の利用者側の使い勝手に合わせた方法で活用されるようになっています。

そして、このキャッシュレス決済が広がりを見せた理由の一つに「キャッシュレス消費者還元事業」があります。

キャッシュレス消費者還元事業のおさらい

このキャッシュレス消費者還元事業は、国が昨年の10月1日から今年の6月30日までの期間限定で、一定のキャッシュレス決済を行なった場合には、その決済額うち2%又は5%のポイントを付与するというものです。

私も昨年はこのキャッシュレス消費者還元事業に関する執筆依頼を月刊経理WOMAN様から受けて執筆しました。

この制度は、キャッシュレス決済手数料や端末導入費用やポイント還元原資を国が補助する事により、店舗・事業者がキャッシュレス決済を導入しやすくなるようにして、消費者もポイント還元のメリットを受ける事が出来るようにしています。

消費税が10%に増税されたことによる景気停滞を防ぐ目的で実施されていて、それにより、今ではこの事業導入前と比較して、多くの方がキャッシュレス決済を利用する事になりました。

今年の6月30日でキャッシュレス消費者還元事業が終了します

ところで、昨年の10月頃には、このキャッシュレス消費者還元事業が期間限定だという事は知っていましたが、導入からしばらくすると、どうしても、この事業が終了する事をついつい忘れてしまう場合もあります。

しかし、現時点では、この制度の延長の話は出ておらず、今年の6月30日には終了する予定です。

そこで、この事業が終了すると、どうなってしまうのでしょうか。

キャッシュレス消費者還元事業が終了すると、いくつかの負担が増えてきます

決済手数料(加盟店手数料)の負担が増える予定です

現在は、キャッシュレス決済を浸透させるために、決済手数料を抑えるようにして、店舗・事業者が導入しやすくなっていますが、7月1日からは、この手数料がキャッシュレス決済事業者毎に決められた割合で設定される事になります。

なお、この決済手数料水準を含めて、決済事業者のサービス提供プランを一覧できるようになるとの事ですので、この一覧により、今後の決済手数料を把握し、決済事業者の新たな選定をするようになります。

キャッシュレス決済端末の導入にあたっての無料補助がなくなる予定です

キャッシュレス決済を導入する場合には、その決済用の端末を用意しなければならず、端末本体とその設置費用が発生する事になりますが、この事業実施期間中は所定の要件に合致すれば、この費用が補助されて、店舗・事業者側は無償で導入する事が出来ました。

しかし、この無料補助が7月1日からはなくなる予定です。

そのため、7月1日からは、キャッシュレス決済端末を使用する事による費用が発生しないのかを確認する必要があります。

消費者向けのポイント還元がなくなります

キャッシュレス消費者還元事業の実施期間中は、一定のキャッシュレス決済にあたって、2%または5%のポイント還元があります。

例えば、11,000円の決済であれば、220円又は550円の還元があるので、消費者側にとっては、キャッシュレス決済のメリットが大きいのです。

しかし、7月1日からは、このポイント還元がなくなるので、消費者の消費活動は抑えられる事になると考えられています。

店舗・事業者側は、7月1日以降の対策を早めに考えましょう

キャッシュレス消費者還元事業は、導入時点から期間限定のものと決まっていました。

そして、集客やオペレーションの効率化などからキャッシュレス決済を導入し、今ではキャッシュレス決済もスムーズにいっていると思いますが、今後は、キャッシュレス決済の利用数や、そもそもの集客数にも影響が出る可能性があります。

店舗・事業者側の商品やサービス・ブランド力等に強み・独自性があり、7月1日以降も安定した売上が確保できるのであれば良いですが、競合が算入している業態も多いので、7月1日以降の集客見込みにも対策を打つ必要があります。

また、7月1日以降も引き続きキャッシュレス決済を活用する場合には、上述したようなコスト負担がどれだけ発生するのかも念頭に置きながら、キャッシュレス決済を今後も活用するのかを決めるようにしましょう。

「あと約3か月ある」

「まだ約3か月ある」

と思っていると、あっという間に7月1日は訪れます。

早めの対策と明確な意思決定が必要ですので、今のうちに対策をしておきましょう。

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