江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

中古車販売価格に含まれる未経過自動車税相当の消費税処理には注意が必要です

中古車販売価格に含まれる未経過自動車税相当の消費税処理には注意が必要です

自動車の所有者に対しては、自動車税が課税されます

自動車を購入すると、毎年都道府県から自動車税の納税通知書が送付されてきます。

この自動車税は、令和1年10月1日より、名称が「自動車税種別割」に変更になりました。

制度の内容は今までと同じですが、この自動車税種別割とはどのような税金なのかを最初にみていきます。

概要:
毎年4月1日を基準に自動車の所有者に対して課税されます。
税額は排気量、自家用・事業用によってによって異なります。
納税先:都道府県に納税
納税期限:毎年5月末日

減免等について:
・一定の要件に該当する場合に、納税者からの申請に基づいて、減免が行われます。
・令和元年10月1日以降に初回新規登録を受けた「自家用乗用車」については、恒久的に自動車税種別割の税額が引き下げられます。

自家用車より事業用の車の自動車税種別割の方が安いです:
これは、事業用の自動車が、自分たちが生活するために必要な各種サービスや流通、物資の運搬などの活動に使用されている車だからといわれています。
そのため、自家用車は私的に使用するという位置づけに対して、事業用の車は優遇されているといわれています。

中古車を販売する際には、基本的に未経過分の自動車税相当が販売価格に上乗せされます

上述のように、自動車税種別割は、4月1日現在の自動車所有者に対して課税される税金です。

そして、中古車販売の際には、買主は、その自動車税種別割の未経過期間に相当する金額を負担します。

ところで、この未経過分の自動車税相当は、誰に対して支払うのでしょうか。

それは、自動車税種別割として都道府県に対して支払うものではなく、その未経過の期間内に継続して乗用できる中古車の購入代金の一部として、「買主」に支払うものです。

中古車販売時の未経過分の自動車税相当は、購入代金の一部です

上記の事から、中古車販売時の未経過分の自動車税相当は、購入代金の一部になります。

つまり、自動車税種別割そのものとして都道府県に支払うのであれば消費税は課税対象外になりますが、中古車販売時の未経過分の自動車税相当の金額は、消費税が課税されるのです。

これは、国内取引については、消費税の課税対象の要件は次のように定められている事によります。

1、事業者が
2、事業として
3、対価を得ておこなう
4、資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供

これら全ての要件に該当する場合が国内取引の課税対象となります。

そして、中古車販売時の未経過分の自動車税相当の金額は上記1から4の要件全てに該当するため、消費税が課税されるのです。

中古車の販売時・購入時には、売買代金の内訳をきちんとチェックしましょう

この他にも、中古車の売買時には、いくつもの項目の代金が発生し、その内容によって消費税の取り扱いが異なる場合があります。

今回は、消費税の取り扱いについてのご案内になりますが、中古車販売時の未経過分の自動車税相当はもちろん、その他の諸費用等として何が発生しているのか、そして、消費税の取り扱いがどのようになっているのかを確認するようにしましょう。

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