江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

法人が駐車違反金の支払いをする場合には、消費税や法人税等の取り扱いに注意が必要です

法人が駐車違反金の支払いをする場合には、消費税や法人税等の取り扱いに注意が必要です

車を運転していると、駐車をする際に、駐車場がなかったりする事があります。

そして、そんな時に限って、急ぎの予定が入っていたりして、やむを得ず路上駐車してしまう事があるかもしれません。

しかも、そんな時に限って、駐車違反の反則切符がきられたりする事があります、

本来は支払いたくないのに、このような交通反則金を支払いをするのは大変です。

出来る限り、不要な出費や時間の浪費は抑えたいですが、実は、この交通反則金については、消費税や法人税の取り扱いに注意が必要なのをご存知でしょうか。
(駐車違反のレッカー移動料や違反車両の保管料については、税金の取り扱いを別途注意する必要がありますが、こちらについては、後日お知らせします)

消費税の国内取引での課税対象は法律で定められています

消費税の国内取引における課税対象の要件は、次のとおりです。
A、事業者が
B、事業として
C、対価を得ておこなう
D、資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供

このAからDの「全て」の要件に該当する場合が国内取引の課税対象となります。

そこで、この課税対象の要件に、交通反則金が当てはまるのかをみていく必要があります。

駐車違反の交通反則金の支払は、消費税の課税対象外です

交通反則金は、いわゆる罰金にあたります。

この罰金の支払について考えてみると、罰金を受け取った行政が、その罰金を受け取った事により、駐車違反者に対して、何かをするのかというと、何かをする事はなく、対価性がありません。

つまり、先程の消費税の国内取引での課税対象の要件では、Cに該当しません。

よって、この交通反則金の支払は消費税の課税対象外になるのです。

法人税では、駐車違反の発生状況に応じて取り扱いが異なります

ところで、法人税の場合には、一定の罰金は経費(法人税の計算では損金)にはなりません。

このような取り扱いになっているのは、この罰金を経費(損金)と認めてしまうと、その分だけ税金が少なくなり、罰金の効果が薄くなってしまうからと考えられているのが理由の一つです。

なお、この他にも注意が必要です。

それが、駐車違反が会社の業務と関係がない場合です。

駐車違反が会社の業務と関係ないのであれば、本来は会社が駐車違反の罰金を支払うべきものではなく、駐車違反をした従業員個人が支払うべきものです。

もし、従業員個人が負担すべき交通反則金を会社が支払った場合には、支払った全額がその従業員個人への給与として扱われる事になり、給与であれば、法人税という税金以外にも、源泉所得税の課税という問題が出てきます。

さらに、この駐車違反をしたのが役員であれば役員賞与となってしまい、経費(損金)にはならず、合わせて、給与扱いになりますので源泉所得税問題が出てきます。

まとめ

このように、駐車違反の交通反則金については、消費税が課税対象外となり、また、法人税については、会社業務と関係するのか、そして、その駐車違反をした人が誰なのか等によって取り扱いが異なり、その他にも、源泉所得税という税金が課税される場合もあります。

そのため、駐車違反の罰金を支払った場合には、その背景等の事実関係を把握し、場合によっては、上記ご案内と異なる対応が必要となる場合もありますので、税理士等の専門家や税務署に確認をして、適切な経理処理と税金計算をするようにしましょう。

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