小規模企業共済制度が活用される理由の一つとして、
第1回は、
「掛金の全額が控除できる」
第2回は、
「契約者は、一定の掛金の範囲内で事業資金の貸付を受けることが出来る」
でしたが、今回は、
「共済金の受取方法を一括又は分割のいずれかで選択できる」
という事をご案内します。
小規模企業共済の制度では、掛金を納付した月数と共済事由に応じて、受け取ることが出来る基本共済金が決まっていて、
また、この共済の場合は、毎年度の運用収入等に応じて、一定の率により算定される付加共済金がある場合は、その金額が加算されるのです。
(共済契約者が死亡したことにより支給される共済金を請求できる者の範囲および順位も決まっています)
また、これと合わせて、共済金等の受取方法にはいくつかの種類があり、
「一括で受け取る」
「分割で受け取る」
「一括での受け取りと分割での受け取りの併用」
の3種類があります。
なお、「分割で受け取る」場合と「一括での受け取りと分割での受け取りの併用」の場合には、請求事由が発生した日に60歳以上である事やその他一定要件を満たす必要があります。
そして、この共済金の受け取りや解約手当金を受け取る場合には、受け取る際の年齢や一括または分割などの受取方法などで税法上の取扱いが異なっています。
本日時点での独立行政法人中小企業基盤整備機構ホームページ上での税法上の取り扱いは、次のとおり掲載されています。
共済金または準共済金を一括で受け取る場合→退職所得扱い
共済金を分割で受け取る場合→公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括・分割併用で受け取る場合→(一括分)退職所得扱い、(分割分)公的年金等の雑所得扱い
遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金)→(相続税法上)みなし相続財産
65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合→退職所得扱い
65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合→一時所得扱い
12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合 →一時所得扱い
このように、共済金等の受取方法やその時点までの掛金納付や年齢等の状況によって、税法上の取り扱いが異なりますので、
必ず事前に検討してから手続きを進める必要があります。
このように、共済金等の受取方法は、ご自身で選択できる部分がありますが、
ご自身がどの方法を選択できるのか、
税法上の取り扱いはどうなっているのか、
今後のライフプランからはどのような受取方法が良いのか、
その他留意すべき点があるのか、
をチェックしながら手続きを進めて、そして、不明点等がありましたら、独立行政法人中小企業基盤整備機構に問い合わせをしながら進めるようにしましょう。
また、上記記載については、独立行政法人中小企業基盤整備機構ホームページから抜粋している部分もありますので、詳細はこちら等にてご確認をお願い致します。
なお、弊所におきましては、このブログの内容について記載されているものを推奨するものではなく、あくまでも参考情報としてご案内しておりますので、詳細のご確認並びにご判断は、ご自身の責任の元対応して頂く事となりますので、ご了承のほどよろしくお願い致します。