年も変わり、2月も中旬になります。
12月決算の会社は、決算が締まり、これから確定申告書類を作成している場合が多いと思います。
そして、顧問税理士と契約はせず、自社で確定申告書類を作成している会社様もあると思います。
そして、確定申告書を作成している時に、毎年悩まれるのが、
「今回申告の対象事業年度中に色々な税金を支払ったけど、それって経費になるのかな?」
「今回の確定申告から担当者が変わったけど、前の確定申告書類を見てみると、税金の支払が経費(損金)となっているのかよく分からない」
そこで、今回は、法人の決算や申告をする際に、事業年度中に支払った税金で経費(損金)になるものとならないものがあり、
また、税金の種類によっては、経費(損金)になるタイミングが異なるものをご案内したいと思います。
まず、経費(損金)になるものとならないものにつきご案内しますが、法律上は、経費(損金)の額に算入されている税金を規定しています。
経費(損金)の額に算入されない税金には、次のようなものがあります。
・法人税・地方法人税・都道府県民税及び市町村民税の本税
・納める税金本税にかかる各種加算税及び各種加算金・延滞税及び延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金は除きます。)並びに過怠税
・罰金及び一定の科料並びに過料
・法人税額から控除する所得税、復興特別所得税及び外国法人税
これらの税金は、その税金の性質上、会社が支払って、決算で経費(損金)として計上しても、確定申告の所得計算上は、経費(損金)にはならないのです。
これに対して、経費(損金)に算入される税金には、次のようなものがあります。
事業税・地方法人特別税・固定資産税・償却資産税・事業所税・印紙税・
などの本税が挙げられます。
もちろん、税金にはその他にも多くの種類がありますが、よく迷われるものは上記の税金になります。
次に、税金の種類によっては、経費(損金)になるタイミングが異なるものについてご案内致します。
ところで、税金は、申告納税方式と賦課課税方式と呼ばれるものがあり、各々の方式によって経費(損金)になるタイミングに違い等があるため、
まずは、この2つの方式について説明致します。
最初に、申告納税方式は、概して、納めるべき税額を、会社側にて計算して申告するものです。
毎期確定申告時に計算・提出している、法人税・地方法人税、消費税、事業税・地方法人特別税・都民税や、事業所税などが該当し、
また、賦課課税方式は、行政側が、納めるべき税額を納税者側に通知するものです。
固定資産税や不動産取得税・自動車税などがこれに該当します。
それでは、経費(損金)になるタイミングについてですが、
申告納税方式の場合は、納税申告書を提出した事業年度に経費(損金)となり、また、更正又は決定のあったものについては、
その更正又は決定のあった事業年度に経費(損金)となります。
しかし、その事業年度の直前の事業年度分の事業税及び地方法人特別税については、その事業年度終了の日までにその全部又は一部につき、
申告、更正又は決定がされていない場合であっても、その事業年度の損金の額に算入することができます。
また、製造原価等の原価のうちに、申告期限が未到来の納付すべき事業に係る事業所税を損金経理により未払金に計上したときは、その損金経理をした事業年度となります。
(その他、所定の税金についても、経費(損金)となるタイミングが定められています)
そして、賦課課税方式の場合は、賦課決定のあった事業年度に経費(損金)となりますが、納期の開始日の事業年度又は実際に納付した事業年度において経費(損金)として経理をした場合には、
その経費(損金)として経理をした事業年度となります。
その他、申告納税方式や賦課課税方式と呼ばれるもの以外のものもあります。
国税の利子税や地方税の納期限の延長に係る延滞金は、納付した事業年度となりますが、その事業年度の期間に対応する未納額を損金(経費)として経理した事により
未払金に計上したときは、その経費(損金)として経理をした事業年度となる場合や、
ゴルフ場利用税や軽油引取税などの特別徴収方式という方法で納める税金についても、経費(損金)となるタイミングが定められています。
このように、税金によっては、経費(損金)になるものとならないものがあり、また、税金の種類によっては、経費(損金)になるタイミングが異なるものがありますので、注意が必要です。