目次
はじめに
経理処理の際に勘定科目を決めるにあたり、会計ソフトに登録されているものや、経理に関するインターネット等の情報の中に掲載されているものに、
法定福利費
福利厚生費
というものがあります。
「福利」
という共通ワードはありますが、その内容は各々異なります。
法定福利費
概要
事業者が負担することなっている保険料等の費用です。
具体的な支払内容
雇用保険や労災保険といった労働保険料
健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料、こども子育て拠出金といった社会保険料 等
経理処理のイメージ
これらの保険料は、
会社負担分
事業者負担分
に分けられます。
いくつかの経理処理方法がありますが、
従業員負担分は給料や賞与の支給時に徴収
↓
これらの保険料の支払いの際に、事業者負担分と徴収した従業員負担分とを合わせて支払います。
そして、事業者負担分が、法定福利費として費用に計上されます。
福利厚生費
概要
イメージとしては、事業者が従業員のために支払う給料や賞与以外のお金であり、
事業者側が従業員が働きやすい環境を整えるために支払うことが多いです。
具体的な支払内容
健康診断費用
慶弔見舞金
従業員の結婚や出産に関わる祝い金
傷病に対する見舞金
社員旅行(慰安旅行)
通勤手当 等
経理処理のイメージ
事業者の支払額を福利厚生費として費用に計上します。
必要経費(損金)の計上要件
上述の費用については、事業者が負担したとしても、税法上所定の要件に該当しなければ、
必要経費又は損金として認められません。
例えば、従業員の慰安旅行を実施して、会社が100万円の支払いをしたとしても、
その100万円が必要経費又は損金として認められないこともあります。
そこで、これらの支払いをするにあたり、税法上の要件を満たしているのかを事前に確認する必要があります。
まとめ
法定福利費は、事業者が負担することなっている保険料等であり、
福利厚生費は、事業者が従業員のために支払う給料や賞与以外のお金です。
そして、これらの支払いをするにあたっては、
必要経費又は損金としての要件を税法上満たしているのかどうかを事前に確認しましょう。