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佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

5年分年末調整・確定申告をする給与所得者の方むけ⑨:配偶者やその他の親族名義の生命保険料控除の適用は受けられるのか。

5年分年末調整・確定申告をする給与所得者の方むけ⑨:配偶者やその他の親族名義の生命保険料控除の適用は受けられるのか。

はじめに

夫婦各々の名義や親族の名義で生命保険契約をしている場合があります。

定期的に保険料を支払い、毎年10月から11月頃になると、保険会社から年末調整に関わる生命保険料の控除証明に関する通知が届きます。

自分名義で自分が支払っている生命保険料であれば、生命保険料控除の適用は受けられる事は何となくイメージできますが、

配偶者の名義や親族の名義の分の場合には、

誰が

生命保険料控除の適用を受けるのでしょうか。

生命保険料控除に関する条文の一部から

所得税法

第76条 生命保険料控除

居住者が、各年において、新生命保険契約等に係る保険料若しくは掛金

(第5項第1号から第3号までに掲げる契約に係るものにあつては生存又は死亡に基因して一定額の保険金、共済金その他の給付金

(以下この条において「保険金等」という。)を支払うことを約する部分(第3項において「生存死亡部分」という。)

に係るものその他政令で定めるものに限るものとし、次項に規定する介護医療保険料及び第3項に規定する新個人年金保険料を除く。

以下この項及び次項において「新生命保険料」という。)

又は旧生命保険契約等に係る保険料若しくは掛金

(第3項に規定する旧個人年金保険料その他政令で定めるものを除く。以下この項において「旧生命保険料」という。)

支払つた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を、

その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。

 

配偶者又はその他の親族名義の生命保険料控除の取り扱い

上述の条文から、居住者が一定の生命保険契約等に係る保険料又は掛金を

支払った場合に

その居住者の

総所得金額等から控除することができるということが分かります。

(必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません。)

なお、その他の要件も条文で定められていますが、そのうち、

この生命保険契約等に関して、

その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族

(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければなりません。

 

例えば、妻名義で契約者となっている生命保険を夫が支払い、その受取人の受け取りに関して、

満期保険金は妻、死亡保険金が夫となっているような場合を考えると、

契約者である妻の夫が支払っている事が証明できれば、

夫の生命保険料控除の対象となります。

 

注意点

保険料の負担を誰がするのかによって、

将来受け取る保険金の課税関係が異なる(贈与税又は一時所得として課税が生じる)場合があります。

その他

上述は、概要でのご案内のため、個別の事例によっては取り扱いが異なる場合があるので、

詳細は税理士等の専門家や所轄税務署に確認しましょう。

まとめ

配偶者や親族名義の生命保険契約を支払った場合でも、生命保険料控除の適用を受ける事ができる場合がありますが、

その保険契約等に関して、その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族

(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければならず、

また、保険料の負担を誰がするのかによって、

将来受け取る保険金の課税関係が異なる(贈与税又は一時所得として課税が生じる)場合があるので、注意が必要です。

そのため、個別の事例に応じた判断は、税理士等の専門家や所轄税務署に確認しましょう。

 

前回ブログ

5年分年末調整・確定申告する給与所得者の方むけ⑧:令和5年に中途入社をした場合で、年末調整を受けない場合の所得税の精算方法。

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