目次
はじめに
金融機関からの融資には大きく分けて、
・ 信用保証協会による保証付き融資
・ プロパー融資
の2つがあります。
信用保証協会による保証付き融資についてはこちらのブログでご紹介しましたが、
今回はプロパー融資についてご紹介します。
プロパー融資
概要
金融機関から直接融資を受けることです。
事業者が金融機関から直接融資を受け、その借入金や利息を返済期間にわたって金融機関に返済します。
融資手続
融資申し込み時に必要な書類についても保証付き融資といくつか異なり、また、金融機関によっても違いますが、
次のような書類が通常必要となります。
履歴事項証明書(商業登記簿謄本)
決算報告書
試算表
事業計画書
納税証明書
資金繰り表
借入申込書 等
信用協会の保証付き融資と比較して、プロパー融資の審査ハードルは高い
信用保証協会の保証付き融資であれば、借入人がもし返済できなくなっても、
一定要件に該当すれば信用保証協会が代位弁済をしてくれます。
そのため、金融機関としては貸し倒れのリスクを回避することができます。
一方、プロパー融資であれば、もし借入人が返済できなくなった場合は、
代位弁済はないため、金融機関は貸し倒れとして損害を負うことになります。
このことからも、金融機関として、プロパー融資できる事業者は、
貸し倒れの危険性を回避できる事業者にしたいため、審査が厳しくなります。
そして、プロパー融資が難しい事業者に対しては、信用保証協会の保証付き融資を
金融機関は提案します。
そのため、中小企業の場合には、プロパー融資よりも信用保証協会の保証付き融資を利用している数が多いのが実情です。
プロパー融資の特長
1.融資限度額
信用保証協会の保証付き融資の場合には上限額があります。
これに対してプロパー融資の場合には金融機関が融資可能と設定した金額であれば、その範囲内で事業者は借り入れをすることができます。
2.融資実行までの期間
信用保証協会の保証付き融資の場合は、信用保証協会と金融機関の両方での審査手続き等がありますが、
プロパー融資であれば、審査は金融機関だけのため、保証付き融資と比較して融資実行までの期間が短くなります。
(申し込み内容・審査状況等によりプロパー融資でも融資実行までの期間が長くなる場合があります)
3.利息等の費用
保証付き融資の場合には信用保証協会への保証料の支払いが発生しますが、
プロパー融資の場合にはこの保証料の支払いはありません。
また、利率については、保証付き融資と比較してプロパー融資の方が低いという話もありますが、
その事業者の格付け等の信用度によるのが実情です。
つまり、信用度が高ければ金利は低くなり、信用度が低ければ金利は高くなるというイメージです。
4.返済期間
保証付き融資と比較して返済期間が短くなる場合があります。
これは、返済期間を長期間で設定すると、その期間中に事業者の経営状況が厳しくなった場合等は、
貸倒リスクが発生することにもなるからです。
5.金融機関のお墨付き
プロパー融資を受けることができるということは、金融機関から直接融資を受けられるという
お墨付き
を得たということでもあり、一定基準内での信用度を認められたという見方もあります。
そのため、他の金融機関又は取引先等の関係者に対しての信用度が上がる場合があります。
その他
金融機関毎の方針により、プロパー融資を実行する事業者は異なります。
金融機関は営業活動の一つとして融資を行っているので、金融機関側にとってもメリットがあれば、
上述の内容以外の条件に合致すれば、プロパー融資を実行する場合もあります。
そのため、金融機関からプロパー融資を提案される場合があるかもしれませんが、事業者にとってメリットのある内容か、
そして、金融機関と今後も良好な関係を築けることができるのか等を検討の上、判断するようにしましょう。
まとめ
プロパー融資は金融機関からの直接融資であり、信用保証協会の保証付き融資以外で利用されている融資制度の一つです。
プロパー融資と保証付き融資は、共に有意義な制度ですので、どちらが自社にとってメリットがあるのか等を検討し、
融資申し込みをするようにしましょう。
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