目次
給与と賞与の源泉徴収
給与を支払う際に源泉徴収をすることとなる、所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」)の算定方法については、
その支払う給与が賞与である場合と賞与以外の給与である場合とでは異なります。
そのため、所得税等を算定するにあたり、
その支払う給与を
賞与
賞与以外の給与
に区分しなければなりません。
そのため給与と賞与について知っておく必要があります。
給与所得とは
現行の所得税法で次の通り規定されています。
所得税法 第28条 給与所得
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
2 給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
3 前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 前項に規定する収入金額が180万円以下である場合
当該収入金額の100分の40に相当する金額から10万円を控除した残額(当該残額が55万円に満たない場合には、55万円)
二 前項に規定する収入金額が180万円を超え360万円以下である場合
62万円と当該収入金額から180万円を控除した金額の100分の30に相当する金額との合計額
三 前項に規定する収入金額が360万円を超え660万円以下である場合
116万円と当該収入金額から360万円を控除した金額の100分の20に相当する金額との合計額
四 前項に規定する収入金額が660万円を超え850万円以下である場合
176万円と当該収入金額から660万円を控除した金額の100分の10に相当する金額との合計額
五 前項に規定する収入金額が850万円を超える場合 195万円
4 その年中の給与等の収入金額が660万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、
前2項の規定にかかわらず、当該収入金額を別表第5の給与等の金額として、
同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。
要約すると、給与所得とは、
一般的にイメージする賞与と定期的に支払われる給料等が該当します。
つまり、
給与というものの中に
給料と賞与
が含まれている
ということになります。
賞与とは
現行の所得税法基本通達では賞与について次の通り規定されています。
所得税法基本通達 183-1の2 賞与の意義
所得税法第183条第2項に規定する賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、
賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいう。
なお、給与等が賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合には、次に掲げるようなものは賞与に該当するものとする。
イ 純益を基準として支給されるもの
ロ あらかじめ支給額又は支給基準の定めのないもの
ハ あらかじめ支給期の定めのないもの。ただし、雇用契約そのものが臨時である場合のものを除く。
(注) 次に掲げる給与については、賞与に該当することに留意する。
1 法人税法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に規定する給与(他に定期の給与を受けていない者に対して
継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給されるものを除く。)
2 法人税法第34条第1項第3号に規定する業績連動給与
要約すると
定期の給与とは別に支払われる給与等で、
賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の
名目で支給されるもの等
が賞与です。
そして、給与のうちの賞与以外のものが賞与以外の給与となります。
まとめ
給与を支払う際に源泉徴収をすることとなる税額の算定方法については、
その支払う給与が賞与である場合と賞与以外の給与である場合とで異なります。
そのため、給与と賞与を理解する必要があります。
・給与とは、要約すると、一般的にイメージする賞与と定期的に支払われる給料等が該当します。
・賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の
名目で支給されるもの等が該当します。
そして、給与のうちの賞与以外のものが賞与以外の給与となります。
なお、上述は概要でのご紹介のため、個別の事例応じた判断が必要ですので、詳細は、税理士等の専門家に確認をしましょう。
シリーズ前回記事はこちらです。
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源泉徴収のギモン4:「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出者・提出先・提出期限・保存期間、提出しないとどのようになるのかについて解説します。
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