江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

総務経理担当者向け:給与支給前に退職し、退職後の12月に給与支給のある従業員は年末調整の対象となるのかについてご案内します

総務経理担当者向け:給与支給前に退職し、退職後の12月に給与支給のある従業員は年末調整の対象となるのかについてご案内します

12月の中旬になりますが、多くの会社では既に年末調整を終了したり、年末調整の処理中の事と思います。

年末調整は必要な書類やデータが揃っていれば、毎年の流れに沿って進めれば、ある程度は完了しますが、その前に、

年末調整の対象となるのか

についての判断が必要となります。

年末調整の対象となる人に対しては年末調整を実施し、年末調整の対象とならない人に対しては年末調整はしません。

そして、この時期気になるのが、年末近くに退職した従業員については、年末調整をするべきなのかそうでないのかの判断です。

なお、年末調整の対象者は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整を行う日までに提出している一定の人ですが、

その他にも、従業員の状況により、年末調整の対象となる場合とならない場合があります。

そして、12月に会社で実施する年末調整の対象者は、基本的に次の人です。

1.1年を通じて勤務している人

2.中途入社で年末まで勤務している人

なお、1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える場合やその他一定の場合には、年末調整の対象になりません。

年の中途で退職した場合の年末調整の取り扱い

11月や12月といった、年末に近い時期で退職し、給与支給を受ける従業員については、年末調整を自社で実施した方が良いのか迷うところですが、

年末まで勤務せず、年の中途で行う年末調整の対象となる人は、次のいずれかに当てはまる場合です。

1.12月に支給されるべき給与等の支払を受けたに退職した場合

2.いわゆるパートタイマーとして働いている人等が退職し、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である場合

(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)

3.海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった場合

4.死亡によって退職した場合

5.著しい心身の障害のために退職した場合(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます。)

したがって、年の中途で退職した人で(1)から(5)以外の人は年末調整の対象となりません。

 

そして、11月や12月に退職した場合には、上述の1で、

12月に支給されるべき給与等の支払を受けたに退職した場合

に該当するのかを見ていくことになります。

例えば、11月25日に退職し、会社の給与計算対象期間が月末締めで翌月10日に給与支給の場合には、どのようになるのかというと、

退職日は11月25日

最終の給与支給は12月10日

となります。

そこで、上述の1では

「12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職」とありますが、

この例では、「12月の給与支給に退職」しています。

そのため、この場合には、年末調整の対象となりません。

このように、従業員が退職した場合には、

退職日

給与計算対象期間

最終の給与支給日 等

によって、年末調整実施の有無を判断する事になります。

その他

実際には、従業員からの退職申し出等の際に、上述の内容以外にも年末調整の有無を決める場合もあり、個別に確認が必要となるので、

詳細は税理士等の専門家や所轄税務署に確認しましょう。

まとめ

12月に支給されるべき給与等の支払を受けたに退職した場合には年末調整の対象となりませんが、従業員からの退職申し出等があった場合には、

その他の要件からも年末調整実施の有無を判断する場合もあるので、詳細は税理士等の専門家や所轄税務署に確認しましょう。

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