こちらのブログでも何回かご紹介しましたが、弊所所在の江東区やその他の地区でも、期間限定でプレミア付き商品券を発行している場合があります。
これは、消費者向けに販売する商品券の券面額にプレミアをつけた金額で消費者は買い物ができるというものです。
例えば、今年に発行された江東区の「こうとう商店街DEお買い物券2022」の場合には、
プレミア率20%です。
これは、一冊10,000円の商品券を購入すると、12,000円分の買い物ができるものになっています。
もちろん発行数には上限があり、利用は登録店舗に限られ、トータルの利用金額は限られますが、
消費者にとっては10,000円分の商品券を買えば、12,000円分の商品・サービスと引き換えできるので、大変お得な制度です。
しかし、このようなプレミア付き商品券の取り扱い店舗にならない店舗も実際には多くあります。
もちろん、商品券の利用とマッチしない業種や価格、商品・サービス等はありますが、
実際には、
そんなに簡単に売上に結びつくはずがない。
と考えるかもしれません。
しかし、商品券を取り扱う店舗側では、オペレーションをきちんと決めて取り扱えば、そのメリットを受ける事ができます。
目次
商品券を取り扱う場合の店舗のオペレーション
今では現金やQR コード決済クレジットカード決済と言った決済が多く行われていますが、この決済方法に商品券が追加となると、
具体例の一つとして次のようなオペレーションになります。
自治体または商店街等へ商品券取り扱い店舗の登録申し込み
(登録料が発生する場合がありますので、事前の確認が必要です)
↓
ステッカーの貼り付けやホームページ等による商品券取り扱い店舗の公表
↓
商品券販売開始前日までに、レジシステム等での商品券販売項目の設定及び動作確認、経理処理との連携
↓
商品・サービスの販売代金と引き換えに商品券の受け取り
↓
商品券を所定金融機関へ持ち込み換金する
(換金方法等は事前に金融機関へご確認ください)
以上が商品券を取り扱う店舗側のオペレーションの一例です。
なお、販売代金の決済時に気をつけておきたいのが、
商品券以外にも決済金額が発生する場合が多いという事です。
通常、自治体等が発行する商品券については、多くのケースで、券面金額に満たない販売をした場合でも、店舗側では、
券面金額と販売金額の差額は現金でお客さんへは支払いません。
例えば、800円の商品を購入するのに500円の商品券を2枚使用したとしても、差額の200円(500円×2枚-800円)は
店舗からお客さんへは返金しません。
そのため800円の商品を購入するにはお客さんは
500円:商品券使用
300円:現金やQRコード決済・クレジットカード決済
という組み合わせで購入します。
そのため、このようなケースが前提となる考えで、会計時のオペレーションを漏れや誤りのないように決めておく必要があります。
取り扱う商品券の種類や店舗のオペレーション等によって流れは異なりますが、ポイントとなるのは、次の通りです。
商品券取り扱い店舗の登録
レジシステムへの事前設定及び動作確認
経理書類への反映の流れ
販売時の商品券の受け取りと販売代金のやり取り
受け取った商品券の換金
そして、これらの流れやポイントを見てお分かりの通り、商品券を取り扱うことによるメリットがいくつかあります。
メリット1:商品券換金時には手数料がかからないケースが多いです
多くのケースでは、商品券を取扱金融機関や商店街の取扱局に持ち込んで換金してもらいますが、その際に手数料は発生しないケースが多いです。
また、日頃から地域金融機関と取引がある場合には、毎月金融機関営業担当の方に商品券を渡して預金口座に入金してもらう形が出来れば、
わざわざ金融機関窓口に行かなくても済みます。
メリット2:集客効果があります
商品券を使って買い物をしたい消費者は、インターネット等を使って商品券を使用できる店舗を探します。
日頃はそのようにして店舗をリサーチする事はあまりないので、その商品券の使用している人のニーズにマッチすれば集客につながります。
メリット3:商品・サービスのプロモーションに繋がります
商品券を使って店舗に買い物に来たお客さんにとっては、その商品やサービスが満足いくものであればリピーターになる可能性もあります。
また、場合によっては 、SNS 等で拡散をしてくれるケースもあります。
商品券の使用は店舗を利用するきっかけにもなりますので、今後の利用に繋げてもらうようにすることが大切です
メリット4:地域や商店街等の認知度が上がります
自治体の予算等を使って、プレミア付き商品券の販売をするケースがあります。
10,000円の商品券を発行して12000円分の買い物ができるのであれば、その2000円分を誰かが負担しなければなりません。
そのため、その負担者が自治体であれば、商品券を利用できる範囲も基本的に自治体内に限定されてきます。
そして、自治体内では、商店街や商店会その他組合等がありますが、これらの地域で商品券の取り扱いを取りまとめることにより、
商品券の利用者からの認知につながり、地域や商店街等を知ってもらうきっかけになります。
その他
商品券の利用にあたっては、利用期間が決まっていたりm、利用できる商品やサービスが限定されています。
また、商品券の取扱店舗に登録する上での条件は、自治体や商店街等で定められている場合があるので、事前の確認が必要です。
まとめ
プレミア付き商品券の取扱店舗になる場合には、事前に店舗のオペレーションを漏れなく、誤りのないように決めておく必要があります。
そして、取扱店舗になると、集客効果や商品・サービスのプロモーション、地域や商店街の認知度が向上する等のメリットがあるので、
自社・自店舗にとってメリットが大きいようであれば、プレミア付き商品券の活用を検討してみましょう。
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