令和4年も年末となり、3月決算の会社については令和4年度予算として策定した事業の予算実績差異検証が進んでいると思います。
目次
予算策定
事業を進めるにあたり、予算策定は必須です。
会社の規模や事業内容等により、予算策定の方法は異なりますが、
予算についてはその言葉通り
予め算定された数値
を元に事業を行っています。
今年度は、新規採用人数を増やすことによる人件費がどのくらい必要なのか。
設備投資として確保すべき金額はいくらか。
季節的な広告費をいくら投入する必要があるのか。
事業を成長・発展させるために、その会社に応じた予算を策定し、その計画に基づいて実行するからこそ、事業の成長スピードが上がり、
売上を確保できる可能性があがります。
しかし、予算として確保した金額があっても、実際には、その金額を下回る金額が会社の決算として計上されることもあります。
例えば、
広告費の予算として3,500万円を予算として組んでいたところ、
実際には2,800万円の計上となり、
700万円が余ったとしたら、どうなるでしょうか。
予算未消化の是非
会社は、大切な事業資金を今後の事業活動に充てるために投資します。
そして、投資した資金を最大限に有効活用し、ブランド力を強化したり、集客力を向上させ、製品・サービスのクオリティを向上して、売上アップに繋げます。
そして、予算を通じてその資金を確保することになりますが、
もし、その予算が余ることになったら、
その予算を他の事業に注ぎ込んでいれば、より一層会社の発展に繋がっていたかもしれません。
予算を確保する際には各担当部署があり、その部署が責任をもって予算を計画通り消化しますが、予算の金額が足りなくならないように、
ある程度調整をして、予算編成に組み込むこともあります。
その結果、会社としての許容量を超えるような予算未消化が発生した場合には、その担当部署の責任が問われるのは必然です。
そのため、予算を未消化のままで放置していると、
その部署の次年度の予算枠が削られることもあります。
また、予算が未消化となった事により、売り上げの目標が未達成となった場合には、予算の有効活用ができていなかったために未達になったとみなされ、
担当部署や責任者の評価が下がります。
組織で働いている人にとっては、評価が下がることは出来る限り避ける傾向がありますので、予算の未消化になる事が想定される場合には
予算消化
をしようとします。
予算未消化の内容分析
予算未消化がすべて悪いわけではありません。
会社を取り巻く環境の変化により、価格が見直され当初予算より少ない金額で取引をすることができるようになっていることもあります。
また、担当部署の業務改善によるコスト削減が寄与している場合もあります。
そのため、なぜ予算が未消化となるのかをきちんと分析する必要があり、状況によっては、速やかに経営陣への報告が求められます。
毎月の速やかな業績チェックによる予実差分析
予算が未消化となる場合に、例えば、
5月の予算額が実績値より大幅に少なくことがなった事が判明したのが、10月頃だった。
としたらどうなるでしょうか。
予算未消化が本来は10月より半年の4月頃に判明しているべきところ、10月となってしまい、対策を取る事ができなくなってしまったとしたら、
大変なことになってしまいます。
そのため、出来る限り毎月、見込額と実績額、予算額の比較検証を早めに行う必要があります。
まとめ
予算が割り当てられている各担当部署は、予算の過達・未達等の検証をするために、毎月、見込額と実績額、予算額の比較検証を早めに行い、
予算編成時との差異が発生すると見込まれる場合には、状況に応じて速やかに経営陣に報告できる仕組みを構築しましょう。
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