目次
はじめに
令和4年11月4日から、金融機関の手形交換業務の電子化が行われています。
これに伴い、従来の紙の手形や小切手は今でも取り扱いされていますが、運用方法が変更となったり、
また、一部金融機関では、手形・小切手の発行手続き停止を進めているところもあります。
そして、今では、手形交換所という言葉は使われなくなり、
電子交換所
という用語が使われるようになりましたが、この電子交換所とはどのようなものでしょうか。
手形・小切手を取り扱っている事業者の方むけ:電子化のため一部金融機関では、手形・小切手の発行の停止手続きを進めているので、取引金融機関に今後の対応を早めに確認しましょう。
電子交換所の設立
全国銀行協会では、従来の手形交換を実施していた手形交換所につき、
令和4年11月から
電子データで手形の交換を実施する電子交換所を設立しました。
つまり、現在では、手形交換所というものは存在せず、電子交換所に移行したという事です。
電子交換所での手形交換方法
従来の手形交換所と現在の電子交換所で、次のような変更がありました。
【従来】
支払人:紙の手形・小切手を振り出す
↓
受取人:紙の手形・小切手を受け取る
↓
受取人:受取人の取引金融機関へ紙の手形・小切手の取り立て依頼をする
↓
受取人の取引金融機関:紙の手形・小切手を手形交換所へ搬送する
↓
手形交換所:支払人の取引金融機関へ紙の手形・小切手を搬送する
↓
支払人の取引金融機関:紙の手形・小切手代金の引き落としを実行する
このように、紙の手形・小切手を人を介して手形交換所を経由し、人が搬送しています。
【現在】
支払人:手形・小切手を振り出す
↓
受取人:手形・小切手を受け取る
↓
受取人:受取人の取引金融機関へ手形・小切手の取り立て依頼をする
↓
受取人の取引金融機関:手形・小切手のイメージデータを手形交換所へ送信する
↓
手形交換所:支払人の取引金融機関へ手形・小切手のイメージデータを送信する
↓
支払人の取引金融機関:受信したイメージデータに基づき、手形・小切手代金の引き落としを実行する
このように、イメージデータを電子交換所を通じて送受信をすることにより、手形交換を行います。
手形交換所の設立に伴う注意点
1.今までの紙の手形・小切手も利用可能ですが、一部金融機関では、
手形・小切手の発行停止の手続きを進めています。
2.手形・小切手の支払人と受取人については、
従来通り金融機関で取り立て依頼ができますが、
一部金融機関では取り扱いの変更があります。
3.令和9年度までに全面的な電子化が進められる予定です。
そのため、現在紙の手形:・小切手を取り扱っている場合は、
電子記録債権やインターネットバンキング等による決済手段への移行を検討する必要があります。
まとめ
全国銀行協会では、従来の手形交換を実施していた手形交換所の電子化を行い、
電子データで手形交換を実施する電子交換所を設立しました。
従来の紙の手形・小切手を人を介して取り扱っていたものから、イメージデータの送受信等の方法に変更する事により、
利便性の向上を果たしながら、手形交換業務を実施しています。
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