江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用にはどのようなものがあるのか

減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用にはどのようなものがあるのか

減価償却資産の取得にあたっては、その本体価格以外に様々な付随費用が発生する場合があります。

原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用の額は減価償却資産の取得価額に含まれますが、国税庁ホームページにて

減価償却資産の取得に関連する必要について、次のような案内が掲載されています。

減価償却資産の取得価額に含まれる付随費用

引取運賃

荷役費

運送保険料

購入手数料

関税

等その資産の購入のために要した費用

減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

1.次のような租税公課等

不動産取得税または自動車取得税

新増設に係る事業所税

登録免許税その他登記又は登録のために要する費用

2.建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用

3.いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金

4.減価償却資産を取得するための借入金の利子(使用を開始するまでの期間に係る部分)

(注) 使用を開始した後の期間に係る借入金の利子は、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

5.割賦販売契約などによって購入した減価償却資産の取得価額のうち、契約において購入代価と割賦期間分の利息や

売手側の代金回収のための費用等が明らかに区分されている場合のその利息や費用

参考条文

減価償却資産の取得価額に関する現行法令は次の法令等に規定されています。

法人税法施行令

第54条 減価償却資産の取得価額

減価償却資産の第48条から第50条まで(減価償却資産の償却の方法)に規定する取得価額は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める金額とする。

一 購入した減価償却資産  次に掲げる金額の合計額

イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(関税法第2条第1項第4号の2(定義)に規定する附帯税を除く。)その他当該資産の

購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)

ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

二 自己の建設、製作又は製造(以下この項及び次項において「建設等」という。)に係る減価償却資産  次に掲げる金額の合計額

イ 当該資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額

ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

三 自己が成育させた第13条第9号イ(減価償却資産の範囲)に掲げる生物(以下この号において「牛馬等」という。)  次に掲げる金額の合計額

イ 成育させるために取得(適格合併又は適格分割型分割による被合併法人又は分割法人からの引継ぎを含む。次号イにおいて同じ。)をした牛馬等に係る第1号イ、

第5号イ(1)若しくはロ(1)若しくは第6号イに掲げる金額又は種付費及び出産費の額並びに当該取得をした牛馬等の成育のために要した飼料費、

労務費及び経費の額

ロ 成育させた牛馬等を事業の用に供するために直接要した費用の額

四 自己が成熟させた第13条第9号ロ及びハに掲げる生物(以下この号において「果樹等」という。)  次に掲げる金額の合計額

イ 成熟させるために取得をした果樹等に係る第1号イ、次号イ(1)若しくはロ(1)若しくは第6号イに掲げる金額又は種苗費の額並びに

当該取得をした果樹等の成熟のために要した肥料費、労務費及び経費の額

ロ 成熟させた果樹等を事業の用に供するために直接要した費用の額

五 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により移転を受けた減価償却資産 次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める金額

イ 適格合併又は適格現物分配(適格現物分配にあつては、残余財産の全部の分配に限る。以下この号において「適格合併等」という。)

により移転を受けた減価償却資産 次に掲げる金額の合計額

(1) 当該適格合併等に係る被合併法人又は現物分配法人が当該適格合併の日の前日又は当該残余財産の確定の日の属する事業年度において

当該資産の償却限度額の計算の基礎とすべき取得価額

(2) 当該適格合併等に係る合併法人又は被現物分配法人が当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

ロ 適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあつては、残余財産の全部の分配を除く。以下この号において「適格分割等」という。)

により移転を受けた減価償却資産 次に掲げる金額の合計額

(1) 当該適格分割等に係る分割法人、現物出資法人又は現物分配法人が当該適格分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に

当該事業年度において当該資産の償却限度額の計算の基礎とすべき取得価額

(2) 当該適格分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人が当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

六 前各号に規定する方法以外の方法により取得をした減価償却資産  次に掲げる金額の合計額

イ その取得の時における当該資産の取得のために通常要する価額

ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

2 内国法人が前項第2号に掲げる減価償却資産につき算定した建設等の原価の額が同号イ及びロに掲げる金額の合計額と異なる場合において、

その原価の額が適正な原価計算に基づいて算定されているときは、その原価の額に相当する金額をもつて当該資産の同号の規定による取得価額とみなす。

3 第1項各号に掲げる減価償却資産につき法第42条から第50条まで(圧縮記帳)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上

損金の額に算入された金額がある場合には、当該各号に定める金額から当該損金の額に算入された金額

(次の各号に掲げる規定の適用があつた減価償却資産につき既にその償却費として各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額がある場合には、

当該金額の累積額に当該各号に定める割合を乗じて計算した金額を加算した金額)を控除した金額に相当する金額をもつて

当該資産の同項の規定による取得価額とみなす。

一 法第42条 第79条の2(国庫補助金等の交付前に取得した固定資産等の圧縮限度額)に規定する割合

二 法第44条 第82条(特別勘定を設けた場合の国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮限度額)に規定する割合

三 法第45条 第82条の3(工事負担金の交付前に取得した固定資産の圧縮限度額)に規定する割合

四 法第46条 第83条の4(賦課金の納付前に取得した固定資産等の圧縮限度額)に規定する割合

五 法第47条 第85条第1項第3号(保険金等で取得した代替資産等の圧縮限度額)に掲げる金額のうちに同条第2項に規定する保険差益金の額に

同条第1項に規定する圧縮基礎割合を乗じて計算した金額の占める割合

4 第1項第1号、第2号及び第6号に掲げる減価償却資産につき第131条の5第10項(累積所得金額から控除する金額等の計算)の規定の適用を受けた場合には、

当該資産に係る同項の規定により取得価額とされた金額をもつて当該資産の第1項の規定による取得価額とみなす。

5 第1項第6号に掲げる減価償却資産が適格合併に該当しない合併で法第61条の11第1項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の

適用があるものにより移転を受けた同項に規定する譲渡損益調整資産である場合には、同号に定める金額から当該資産に係る同条第7項に規定する

譲渡利益額に相当する金額を減算し、又は同号に定める金額に当該資産に係る同項に規定する譲渡損失額に相当する金額を加算した金額をもつて、

当該資産の第1項の規定による取得価額とみなす。

6 第1項各号に掲げる減価償却資産につき評価換え等(第48条第5項第3号に規定する評価換え等をいう。)が行われたことにより

その帳簿価額が増額された場合には、当該評価換え等が行われた事業年度後の各事業年度(当該評価換え等が同条第5項第4号に規定する

期中評価換え等である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度以後の各事業年度)においては、

当該各号に定める金額に当該帳簿価額が増額された金額を加算した金額に相当する金額をもつて当該資産の第1項の規定による取得価額とみなす。

 

法人税基本通達

7-3-1の2 借入金の利子

固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子の額は、たとえ当該固定資産の使用開始前の期間に係るものであっても、

これを当該固定資産の取得価額に算入しないことができるものとする。

(注) 借入金の利子の額を建設中の固定資産に係る建設仮勘定に含めたときは、当該利子の額は固定資産の取得価額に算入されたことになる。

 

法人税基本通達

7-3-2 割賦購入資産等の取得価額に算入しないことができる利息相当部分

割賦販売契約(延払条件付譲渡契約を含む。)によって購入した固定資産の取得価額には、契約において購入代価と割賦期間分の利息及び

売手側の代金回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用相当額を含めないことができる。

 

法人税基本通達

7-3-3の2 固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示

次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを固定資産の取得価額に算入しないことができる。

(1) 次に掲げるような租税公課等の額

イ 不動産取得税又は自動車取得税

ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの

ハ 新増設に係る事業所税

ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用

(2) 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額

(3) 一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額

 

付随費用に関して、減価償却資産の取得価額に含めるかの判断にあたっての参考資料

どのような付随費用が発生しているのかをきちんと判断しなければなりませんので次のような書類等を確認する必要があります

契約書発注書納品書請求書領収書等

減価償却資産の購入にあたって参照したホームペインターネットのホームページや購入購入時にやり取りをしたメールの履歴等

その他

付随費用に関して減価償却資産の取得価額に含めないことができるのかどうかについては、個別の判断が難しい場合もありますので、

詳細は税理士等の専門家に確認をするようにしましょう。

 

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