税金には、法律上、適正に申告義務が履行されていない場合には、加算税というものが本来納めるべき税金(本税)以外に課税される場合があります。
そして、その中で
無申告加算税
というものがあります。
今回は、この無申告加算税とはどのようなものなのかについてお知らせします。
目次
無申告加算税に関する法令
国税通則法
第66条 無申告加算税
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該納税者に対し、当該各号に規定する申告、更正又は決定に基づき第35条第2項(期限後申告等による納付)
の規定により納付すべき税額に100分の15の割合(期限後申告書又は第2号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより
当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、100分の10の割合)を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課する。
ただし、期限内申告書の提出がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。
一 期限後申告書の提出又は第25条(決定)の規定による決定があつた場合
二 期限後申告書の提出又は第25条の規定による決定があつた後に修正申告書の提出又は更正があつた場合
2 前項の規定に該当する場合(同項ただし書又は第7項の規定の適用がある場合を除く。)において、
前項に規定する納付すべき税額(同項第2号の修正申告書の提出又は更正があつたときは、その国税に係る累積納付税額を加算した金額)が50万円を超えるときは、
同項の無申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、その超える部分に相当する税額
(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に100分の5の割合を乗じて計算した金額を
加算した金額とする。
3 前項において、累積納付税額とは、第1項第2号の修正申告書の提出又は更正前にされたその国税についての次に掲げる納付すべき税額の合計額
(当該国税について、当該納付すべき税額を減少させる更正又は更正若しくは第25条の規定による決定に係る不服申立て若しくは訴えについての決定、
裁決若しくは判決による原処分の異動があつたときはこれらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、
第5項において準用する前条第4項(第1号に係る部分に限る。以下この項及び第5項において同じ。)の規定の適用があつたときは
同条第4項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)をいう。
一 期限後申告書の提出又は第25条の規定による決定に基づき第35条第2項の規定により納付すべき税額
二 修正申告書の提出又は更正に基づき第35条第2項の規定により納付すべき税額
4 第1項の規定に該当する場合(同項ただし書若しくは第7項の規定の適用がある場合又は期限後申告書若しくは第1項第2号の修正申告書の提出が、
その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、
その期限後申告書若しくは修正申告書の提出又は更正若しくは決定があつた日の前日から起算して5年前の日までの間に、その申告又は更正若しくは
決定に係る国税の属する税目について、無申告加算税(期限後申告書又は同号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより
当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合において課されたものを除く。)又は重加算税
(第68条第4項(重加算税)において「無申告加算税等」という。)を課されたことがあるときは、第1項の無申告加算税の額は、
同項及び第2項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、第1項に規定する納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額を
加算した金額とする。
5 前条第4項の規定は、第1項第2号の場合について準用する。
6 期限後申告書又は第1項第2号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は
決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査通知がある前に行われたものであるときは、
その申告に基づき第35条第2項の規定により納付すべき税額に係る第1項の無申告加算税の額は、同項及び第2項の規定にかかわらず、
当該納付すべき税額に100分の5の割合を乗じて計算した金額とする。
7 第1項の規定は、期限後申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について
第25条の規定による決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、期限内申告書を提出する意思があつたと認められる場合として
政令で定める場合に該当してされたものであり、かつ、法定申告期限から1月を経過する日までに行われたものであるときは、適用しない。
無申告加算税が課税される場合
法律上、次のケースで一定要件に該当する場合には、無申告加算税が課税されます。
・ 期限後申告・決定があった場合
・ 期限後申告・決定について、修正申告・更正があった場合
無申告加算税の計算
原則:
納付すべき税額 × 15%(50万円まで)
20%(50万円超の部分)
軽減される場合:
税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、
納付すべき税額 × 5%
※平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(平成28年分以後)は、税務調査の事前通知の後にした場合には、
50万円までは10%、50万円を超える部分は15%の割合を乗じた金額です。
期限後申告であっても、無申告加算税が課税されない場合
次の要件をすべて満たす場合には、期限後申告でも無申告加算税は課税されない事になっています。
1. その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
2. 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合(※)に該当すること。
(※)一定の場合とは、次の(1)および(2)のいずれにも該当する場合をいいます。
(1)その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2)その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、
期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
その他
無申告加算税が課税される場合とその税額の計算等については、法律で決められており、また、個別の状況に取り扱いが異なる場合がありますので、
税理士等の専門家に詳細を確認するようにしましょう。
まとめ
期限後申告や決定等があり、一定要件に該当する場合には、無申告加算税が課税されます。
こうした附帯税の納税は、本税以外にも事業資金が流出する事になりますので、法律上定められている申告納税期限等を遵守して、
適正な申告納税をおこなうようにしましょう。
出典参考:国税庁タックスアンサー「No.2024 確定申告を忘れたとき」