中退共について、前回と前々回に概要と税制上の基本的な取り扱いについてご案内していますが、知っておきたい制度の一つとして、
通算制度
があります。
中退共の通算制度
創業してから数年が経過してから中退共に加入したり、中退共に加入する従業員がすでに勤務後数年経過していることもあります。
すると、
もっと早めに加入したかった。
過去までさかのぼって掛金を支払いたかった。
と考える事があります。
そのような時に活用したい制度が通算制度で、一定要件に該当した場合には、次のような事情に対応しています。
制度加入前の勤務期間を通算する。
中退共制度の加入企業から他の加入企業に転職した場合は、掛金の納付実績を通算する。
そして、この通算制度を利用する事により、まとまった退職金を受け取ることができるのです。
通算制度の要件等
事業主が新規に加入する際に、1年以上勤務している従業員については、一定要件のもとで加入申込み時までの継続した雇用期間を通算できます。
なお、通算できる期間は、
最高10年
です。
※この過去勤務分の掛金は、通常の掛金とは別に一定の方法で納付する事になります。
また、注意点としては、小規模企業共済制度の共済契約者であった期間は過去勤務期間の対象から除外されたり、その他一定の従業員については、過去勤務期間の
通算ができない事となっています。
また、上述の内容は現時点の情報に基づくものであり、最新の内容は、中退共ホームページ等で事前に確認しましょう。
まとめ
中退共の便利な制度の一つとして、過去勤務期間の通算制度があります。
一定要件を満たした場合には、制度加入前の勤務期間や中退共制度の加入企業から他の加入企業へ転職した場合等の掛金納付実績を通算できるもので、この利用により、
まとまった退職金を受け取ることができます。
中退共を活用したいと考えている場合には、この通算制度の活用も検討してみてはいかがでしょうか。