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佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

電子帳簿保存法の改正:外部記憶媒体やクラウド、海外サーバーで保存する場合の取扱いについてご案内します

電子帳簿保存法の改正:外部記憶媒体やクラウド、海外サーバーで保存する場合の取扱いについてご案内します

令和3年度の税制改正により、電子帳簿保存法が改正になりました。

そして、その一つとして、電子帳簿等保存についても改正が行われましたが、その保存方法については、きちんと理解しておく必要があります。

電磁的記録の外部記憶媒体への保存

まず、記憶媒体や保存すべき電磁的記録を限定する規定は、電子帳簿保存法にはありません。

そのため、国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の媒体については保存義務者が任意に選択できるので、外部記憶媒体への保存も一定要件を満たせば可能です。

※記憶媒体の種類にかかわらず保存要件は同じです。

もちろん、実際のデータの保存は、サーバ等と外部記憶媒体といったように記憶媒体の種類が異なっても、電磁的記録の内容は同一でなければなりません。

電磁的記録の媒体に関する参考法律

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 ※最終改正日:令和03年03月31日

第4条 国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等

保存義務者は、国税関係帳簿(財務省令で定めるものを除く。以下この項、次条第1項及び第3項並びに第8条第1項及び第4項において同じ。)の全部又は一部について、

自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、

当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。

 

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 ※最終改正日:令和03年03月31日

第5条 国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等

保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、

当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。

 

電子帳簿保存法取扱通達 ※最終改正日:令和02年06月23日

4-1 国税関係帳簿に係る電磁的記録の範囲

法第4条第1項《国税関係帳簿の電磁的記録による保存等》又は第5条第1項《国税関係帳簿の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等》に規定する

「国税関係帳簿に係る電磁的記録」とは、規則第3条第1項各号の要件に従って備付け及び保存(以下「保存等」という。)が行われている

当該国税関係帳簿を出力することができる電磁的記録をいう。

したがって、そのような電磁的記録である限り、電子計算機処理において複数の電磁的記録が作成される場合にそのいずれの電磁的記録を保存等の対象とするかは、

保存義務者が任意に選択することができることに留意する。

(注) この場合の国税関係帳簿に係る電磁的記録の媒体についても保存義務者が任意に選択することができることに留意する。

 

クラウドや海外サーバでの保存

電子帳簿保存法では、保存場所に備え付けられている電子計算機と国税関係帳簿書類の作成に使用する電子計算機とが通信回線で接続されていること等によって、

保存場所で電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、それぞれの要件に従って、速やかに出力することができるときは、

その電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

そのため、一定要件を満たしていれば、クラウドサービスを利用している場合や、海外にサーバを置いている場合でも、

その電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

会計処理等をアウトソースしている場合の保存

会計事務所等に会計処理等を外部委託している場合には、受託側の多くが国内外の複数の場所にあるコンピュータをネットワーク化してデータ処理し、

国内外のサーバにデータを保存している状況となっています。

そして、前述の点を踏まえれば、仮に電磁的記録が海外にあるサーバに保存されている場合(保存要件を満たしている場合に限ります。)であっても、

納税地にある電子計算機において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力することができる等、

紙ベースの帳簿書類が納税地に保存されているのと同様の状態にあれば、納税地に保存等がされているものとして取り扱われます。

まとめ

記憶媒体や保存すべき電磁的記録を限定する規定は、電子帳簿保存法にはなく、国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の媒体については保存義務者が任意に選択できるので、

外部記憶媒体への保存も一定要件を満たせば可能です。

また、電子帳簿保存法においては、一定要件を満たしていれば、クラウドサービスを利用している場合や、海外にサーバを置いている場合でも、

その電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

出典参考資料:

国税庁

電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】

問 13 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。

問 14 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。

 

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