会社員として勤務していれば、いずれは昇進や昇格をしたいと思う人は多いです。
役職が上になると、
係長
課長
次長
部長
といったものや、
マネージャー
シニアマネージャー
コントローラー
という肩書であったり、会社によって決まっている役職が付いてきます。
権限が与えられる半面、責任も重くなりますが、それに応じたやりがいが出てくるので、組織・会社にとってプラスな人事が求められます。
役員の肩書
会社員として肩書が大きく変わるのは、役員になる時だと思います。
取締役
監査役
といった肩書や、
常務取締役
専務取締役
代表取締役
といった肩書があります。
そして、
社外取締役
といった肩書等もあります。
役員になる前までは、会社員としての立場で仕事をしますが、役員になると、その役割は大きく変わります。
会社法では、役員については、第329条第1項で、
第329条 選任
役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第371条第4項及び第394条第3項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
とあり、株主総会の決議で選任されます。
会社員と役員では、選任方法から見ても、その立場が大きく変わるのです。
執行役と執行役員
会社によっては、経営層又は経営層に近くなってくると、
執行役
執行役員
という役職が出てくる場合があります。
「員」という言葉がついていない役職と、ついている役職になりますが、使い分けられているので、違いがあるはずです。
そこで、会社法第423条第1項では、「役員等」について、
第423条 役員等の株式会社に対する損害賠償責任
取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、
株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
と規定しています。
役員については、上述で
取締役、会計参与及び監査役
とあり、
役員等として、
取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人
とあります。
そして、執行役については、会社法第402条で、
第402条 執行役の選任等
指名委員会等設置会社には、1人又は2人以上の執行役を置かなければならない。
2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。
3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。
4 第331条第1項及び第331条の2の規定は、執行役について準用する。
5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。
6 執行役は、取締役を兼ねることができる。
7 執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。
ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。
8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
と規定しています。
ところで、執行役員については、会社法ではどこに規定されているのかというと、上述から、会社法上の「役員」「役員等」のいずれにも含まれていないのです。
しかし、執行役員は、取締役等の補佐をする一定の権限を与えられていますが、会社によって、その立場や権限・責任が異なってきます。
まとめ
執行役と執行役員は、会社法での取扱いが異なり、また、その役割・責任も会社によって異なりますが、ともに、会社にとって重要なポジションです。
会社での役割や責任、そして、法律上の取扱いでは、執行役と執行役員はどのようになっているのかをきちんとおさえるようにしましょう。
※記載の条文は今後変更になる場合がありますので、最新の条文等でご確認をお願いします。
また、上述の内容については、一部私見も含まれていますので、個別の事例等については、実情に合わせてご判断をお願いします。