税金を支払おうと思っても、急用ができたり、つい、うっかり支払うのを忘れてしまって、本来支払わなければならない「納期限」までに納税できない事があるかもしれません。
このような時には、法律で定められたルールにしたがって、延滞のお金を支払わなければなりません。
そして、このルールについては、国税や地方税、その他の状況等によって異なります。
そこで、今回は、国税の延滞税に関してご案内します。
目次
延滞税が発生する場合
税金を指定された納期限までに納付しない場合には、原則として、その法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に発生します。
例えば、次のようなケースで延滞税が発生します。
・申告等で確定した税金を法定納期限までに完納しないとき。
・期限後申告書又は修正申告書を提出した際に、納付しなければならない税金があるとき。
・更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税金があるとき。
そして、気になる、延滞税の割合を次にみていきます。
延滞税の割合
令和3年1月1日以後については、法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて次の割合により延滞税が課されます。
※令和2年12月31日以前については、次の割合とは異なります。
(1)納期限の翌日から2月を経過する日まで
原則として、年「7.3%」
ただし、
令和3年1月1日以後の期間は、次のうちいずれか低い割合です。
①年「7.3%」
②「延滞税特例基準割合+1%」
なお、具体的な割合ですが、
令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、
年2.5%
です。
(2)納期限の翌日から2月を経過した日以後
原則として、年「14.6%」
ただし、令和3年1月1日以後の期間は、次のうちいずれか低い割合です。
①年「14.6%」
②「延滞税特例基準割合+7.3%」
なお、具体的な割合ですが、令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、
年8.8%
です。
※上記でいう、「納期限」は、以下のように定められています。
・期限内に申告された場合には法定納期限
・期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日
・更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1月後の日
延滞税特例基準割合について
上述で延滞税特例基準割合という文言がありましたが、どのような内容かというと、
各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸付約定平均金利の合計を12で除して得た割合として
各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。
延滞税の計算にあたって
延滞税の割合はご説明しましたが、この割合に乗じる税金は、「本税」になりますので、加算税に対しては延滞税がかかりません。
また、延滞税の計算にあたり、次のような端数処理をします。
・本税に10,000円未満の端数がある場合には、切り捨てをします。
・計算後の延滞税に100円未満の端数がある場合には、切り捨てをします。
延滞税の詳細について
延滞税の計算にあたっては、多くの法律上の定めがあります。
偽りその他不正の行為により国税を免れた場合等を除き、所定の場合には一定の期間を延滞税の計算期間に含めないという特例があったり、その他、個別の内容によっては、上記と異なる場合がありますので、実際には、税理士等の専門家や所轄の税務署に確認をする必要があります。
なお、国税庁のこちらのホームぺ―ジで、延滞税の計算の詳細を掲載していますので、是非ご覧ください。
まとめ
税金を指定された納期限までに納付しない場合には、原則として、その法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に発生します。
また、上記内容は平易にご説明している部分があり、実際の延滞税の計算にあたっては、上述以外の内容を考慮しなければならない場合があります。
そして、現在は、新型コロナウイルスの影響により、一定の要件に該当すれば、申告納付期限の延長や納税猶予の制度等がありますので、実際に延滞税が発生する可能性がある場合等は、個別に事前に確認の上、自社の場合にはどのような対応が必要なのかをチェックしておきましょう。