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人は自分とは違います
自分と全く同じ感覚を持つ人はいません。
少しでも感性に違いがあり、そして、思想はもちろん、人格も異なります。
自分と同じ人間は一人としてはおらず、そして、会社という組織の中では、違った人格を持ち合わせている従業員が集まっています。
部下は上司の考えどおり行動しない場合があります
例えば、予算策定にあたり、部下に各部署から必要なデータを入手するよう指示する際に、上司である自分としては、「予算データの提出期限もきちんと伝えて欲しい」と思ったとします。
その事は言葉には出していませんが、通常であれば、期限も考えるだろうとしてデータ入手をするように伝えたとしても、実際には部下は提出期限は各部署に案内しておらず、各部署からの提出タイミングがバラバラだった場合にはどのように考えるでしょうか。
「分かってくれると思ったんだが」
「そのくらいは各部署に伝えて欲しかった」
と考えるかもしれませんが、部下としてはデータ提出についてのみ各部署に案内しておけば、別で上司が期限について連絡しているはずと思っているかもしれません。
その他にも、今月末の支払一覧表の作成を依頼したところ、今月分だけでなく、来月分の支払見込一覧表の作成をしていた場合に、
「来月分の支払見込一覧表の作成はまだ精度が低いのに今作成する必要がない」
「指示した業務だけしてもらいたかった」
と考えるかもしれません。
しかし、部下としては、
「部長はよく、来月の支払見込を聞いてくるので、先に作成しておけば部長も喜ぶだろう」
というような考えを持っているかもしれません。
お互いが違うという事を理解した上でコミュニケーションを取りましょう
上司にしてみれば、自分の考えを1%でも多く理解してくれる部下を評価したくなりますが、ひょっとしたら、その部下との接し方を変えるだけで、部下の理解度が格段に増す事もあります。
自分がしてほしい事は相手も100%分かっているという事はありません。
してほしい事は伝えないと分からず、また、人によっては、伝え方を変えないと深く理解してもらえません。
お互いが思想も違えば、人格も違うので、お互いを尊重しなければ、コミュニケーションの質は向上しません。
ましてや、上司の方が知識や経験が豊富で能力も高く、視野が広いのは当然です。
部下の特性に応じて長所を引き出しながら、部下の理解度を高めるのも上司の必須業務です。