江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経理業務に携わる人は、認められない事には、明確に「No(ノー)」と意思表示しましょう

経理業務に携わる人は、認められない事には、明確に「No(ノー)」と意思表示しましょう

正確な情報が経理処理には欠かせません

経理業務一つとして、その期間に応じた収益や費用を損益として集計します。

例えば、10月の月次損益の集計をするには、10月中に発生した取引に基づいて、売上や原価・経費を集計します。

その時に、経理部門では、関係部門から集約した情報に基づき、月次決算を集計しますが、その時には、ルールとして、損益の計上根拠となるデータや書類の提出を求めます。

しかし、中には、データや書類の入手が間に合わなく、口頭のみでの確認で数値を集約しなければならないかもしれません。

契約を締結した初月に発生した経費を得意先に請求する前に、月次決算へ取り込まないといけないので、その分を集計しなければならないかもしれません。

その時には、請求予定額が記載された何らかの資料を基に計上するかもしれませんが、経理担当者としては、その数値は、あくまでも

「見込み」

であり、確定したものではないと理解した上で計上する事になります。

しかし、ひょっとしたら、その計上金額で得意先に請求したところ、承認を得られなかったとしたら、どうなるのでしょうか。

当初は、営業部門から1,100万円の売上算定に関するメモをもらって、売上として集計して経営数値の集計をしたところ、実際には、880万円になったとしたらどうなるでしょうか。

もちろん、本決算や税金の申告の際には、適正な金額で算定し、コンプライアンス上もクリアになっているとしても、毎月の月次決算での精度が低くなってしまうと、適正な経営判断が出来なくなります。

その当時の事情はあるとしても、このような精度の低い情報を根拠に経営数値を集計するのは、誰にとってもデメリットしか生じません。

一番正確な情報は何かを考えましょう

経理業務をする上で、取り扱う書類には色々あります。

契約書・覚書

見積書

納品書

請求書

領収書

預金入出金明細

その他にも色々ありますが、この中で情報の信頼性が高いものは何なのかを考える必要があります。

見積書であれば、その名のとおり、

「見積」

の情報のため、確定した情報ではありませんが、業務内容の詳細は見積書に多く掲載されているので、参考にはなります。

すると、たいていは、請求書の金額を元に経営数値に反映させるはずです。

得意先へ請求書を発行する場合や、仕入先から入手した請求書を基に、支払者が請求元に支払いをする事になるため、商取引上もこの請求書に則って代金決済をする事になります。

そして、代金決済は、請求書記載の金額に基づいて正確にされているのかの確認が必要です。

例えば、仕入代金を支払う際に、うっかり送料や消費税を支払い忘れてしまうと、その分の金額が未払になります。

そのため、代金決済まで誤りなく、正確に行われているのかの検証をする必要があります。

データや正式書類の確認は、親しい間柄や職位が上の人でも厳格にしましょう

社内での関係性によっては、ついつい、柔軟な対応で許してしまうと考えがちです。

例えば、同期で付き合いの長い営業の人から、

「今月はまだ請求が出来そうもないけど、とりあえず、見積書は渡したから、売上として社内処理しておいて」

と頼まれたとしたら、その時にどう返答するのでしょうか。

「しょうがないなあ。分かったよ。」

とするのか、それとも、

「この見積内容でお客様が承認しているか分からないよ。場合によっては、実際の請求が半額になったり、ご破算になる事も想定されるから、営業部内できちんと手続きを踏んで書類を提出してくれないと、今の段階では売上を計上出来ないよ。」

とするのでしょうか。

また、自分より職位が上の人から、同じような事を言われたら、どうしますか。

データや正式書類の確認をしておかないと、業務量が増えたり、リスクが大きくなります

例えば、月次決算締め日の一日前に、得意先の承認を得ていないが、どうしても反映してほしい売上が1,100万円出てきたとします。

この売上を今回計上しないと、営業担当者の目標達成が出来ない事になり、社内評価に大きく影響してしまいます。

経理担当者としては、担当者の気持ちが理解でき、なんとかしてあげたいと思い、この1,100万円の売上を月次決算に反映して、経営陣むけの報告資料を作ったとします。

この1,000万円分の売上と利益が確保できたことにより、経営も順調に推移していると経営陣が考えた後の数か月後に、会社の年度決算を迎えた時に、

「以前計上した1,100万円の売上は、当時も決算期末時点でも、得意先の承認を得ていなくて、いまだに請求書が発行できていない売上だ。」

という事が、発覚したらどうなるのでしょうか。

この売上に関わった営業担当者の処分はもちろんですが、この事情を知っていた経理担当者にも責任が及ぶ事は十分に考えられます。

経理担当者としては、

「今は請求できないといっても、年度末までには請求書を発行できるので、大丈夫だろう」

という軽い気持ちで営業担当者の願いを聞き入れたとしても、もし、このような状況になれば、大変なことになってしまいます。

そして、このような状況が、承認を受けたかった得意先の耳に入って、今後も請求が出来ない事情になったり、会社の業績を左右するような事態になってしまったら・・・

そのため、その時々の事情によって、最善の策を検討する必要はありますが、ルールとして認められないものに対しては、

「出来ません」

「認められません」

という意思表示を最初に明確に伝えましょう。

そのような綺麗事は通用しないという考えもありますが、通常のルールでは認められない形での運用にはリスクが潜んでいます。

まとめ

経理業務に携わる人は、会社の経営数値に関係する資料やデータ等を多く取り扱います。

そして、その情報によっては、さらに詳細や正確性を確認出来るような更なる情報が必要となります。

その更なる情報を入手して、ルールに則って確認できた段階で経営数値に集計するようにしておくことが必要であり、信憑性が疑われる情報を元に処理したり、人間関係を優先して処理するような事はあってはなりません。

無理なお願いをする人は、そのお願いをされる人の気持ちを100%理解できてはいません。

状況に応じて適切な対処を考える必要はありますが、経理処理によっては経営判断に重要な影響を及ぼすという事を念頭に入れて、経理担当者は行動するようにしましょう。

記事執筆者

税理士 佐藤充宏
東京都江東区で税理士事務所及びファイナンスコンサルティング会社を経営している佐藤充宏と申します。

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