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人は、誰もがコミュニケーションを上手に取れるわけではありません
全ての人は、生い立ちが違えば、生まれ育った環境も異なります。
その中で、日々成長し、年を重ねるにしたがって、コミュニケーションの取り方も違ってきます。
人と接するのが好きで、自ら日々出会いの場を求める人もいれば、人と会うのは苦手で、出来る限り知り合いの方と接する事が出来るコミュニティの中で過ごしたいと考える人もいます。
先日、セミナーで、ある方のお話を聴く機会がありました。
その方は、昔からかなりの数の著書を執筆し、自らは、事業を運営して、多くの財を築き上げていて、私は、2~3年前から、その方の著書を拝読するようになりました。
そして、そのセミナーの時に、氏は自分自身の性格を人見知りと言い、日々のライフスタイルを公表しました。
その話は、もちろんリアリティがあり、楽しい部分もありましたが、それ以上に、自身の性格を分析し、自身に合ったライフスタイルや事業を築き上げていて、大変参考になりました。
私を含め、会場のほとんどの方がその話に聴き入り、そして、気づきを得ていました。
その方こそ午堂登紀雄氏です。
「人見知りとして生きていくと決めたら読む本」
午堂氏の著書は、事業に関する話が多いのですが、こうして、自身の性格を全面的に公表して著述した書に触れるのは、今回が初めてです。
午堂氏のライフスタイルに興味があり、その性格をどのように事業に活かしているかを知りたくて、今回はこの書評を投稿させて頂きます。
人とコミュニケ―ションを取るのが苦手でも、幸せな生活を送る事が出来る
午堂氏は、自身が雑談や自己主張をする事が苦手と書いています。
もちろん、「苦手」なので、雑談や自己主張が「できない」という事ではありません。
自身にとって、積極的に取り組みたくない事なのでしょう。
そして、人の輪に自ら進んで入るのも消極的で、ひとりでいる方がラクなのだそうです。
一読すると、人見知りが伝わりますが、午堂氏は、こう考えています。
人とコミュニケ―ションを取るのが苦手でも、幸せな生活を送る事が出来る。
つまり、人見知りであっても、幸せに過ごす事が出来るのです。
社交的で明るく、周囲の方への思いやりを欠かさず容姿端麗な方等だけが幸せになるのではありません。
誰でも幸せになれるのです。
そこで、人見知りの午堂氏がどのような行動を起こして、幸せな生活を送っているのでしょうか。
人見知りにもタイプがあります
午堂氏は、人見知りといっても、二つのタイプに分かれるとしています。
一つが、内向的な人見知り、もう一つが、外交的な人見知りです。
内向的とは、興味や関心が自分の内部に向かう事であり、外交的とは、興味や関心が外部に向かう事です。
つまり、外交的な人は外に出て人と会い、刺激的な経験をしてエネルギーを得るのに対して、内向的な人は、ひとりになり、自分の内部へ向かって思索することでエネルギーを得る
そして、本書は、内向的なタイプの人見知りについて書かれていて、もちろん、午堂氏の性格に基づいての記述になっています。
また、自身の性格から、人見知りという自分の性向を受け入れて逆らわずに生きていく事としています。
人は、日々の成長から自分自身を変えられる部分もありますが、生来より生まれ持っているものは変えられず、人見知りであれば、その根っこの部分は変えられないとしています。
だからこそ、その性向をそのまま受けいれるのです。
自分というものを知り、そして、それを否定せずに肯定して生きていくのです。
そのため、無理に人を楽しませようとせず、場を盛り上げようとする事もなく、自分から会話を弾ませようとしないとも書いています。
一見すると、人とのコミュニケーションを悪い方向に導くようにとらえられがちですが、午堂氏は、あえて入り込み過ぎず、相手を尊重した上で、自分が苦手としているコミュニケーションの取り方をする必要はないとしているのです。
よくあるケースでは、場を盛り上げようとして、沈黙の時間が生まれそうなときには、無理に話を織り込んで、場の空気が違った方向に行く事もありますが、午堂氏はそこまでする必要はないとしています。
しかし、その一方で、聴く力を養い、人見知りでも取れるコミュニケーション術を実行しています。
人見知りの資質を発揮して、自分はそのままでいいという事を知る
人見知りであれば、人とコミュニケーションを取らなくても良いということではありません。
もし、人とコミュニケーションを取らなければ、対人関係のストレスに弱くなります。
人は全員思考が異なれば、コミュニケーションの取り方も異なります。
不特定多数の人が関わる社会では、様々なタイプの人と接するのですが、その接し方は、日頃からコミュニケーションを取っているからわかる事でもあります。
これを怠ると、誰もが持っている人格の多面性を失うリスクがあります。
そのため、人見知りの自分が、快適で愉快な生活を追い求めるにしても、コミュニケーションを断って成長や自己変革を放棄してはいけないとしています。
その中で、人見知りは普通の感情であり、コミュニケーションをとるにしても、無理して話さずに聞くだけで良く、人と自分を比べる必要はないと考えています。
人見知りは素晴らしい性格です
人見知りでいるという事は、未知の危険に対する感受性が強いケースが多いです。
人見知りの分、洞察力が強く、周囲を冷静に分析し、些細な変化を見逃がさず、気づきを得やすい側にいる事になります。
この性格は、生き延びるために重要であり、そのため、危機察知能力が高いです。
コニュニケーションが苦手は思い込みです
人見知りの人は、コミュニケーション下手と考えがちですが、はたして実際にそうでしょうか。
そのような人であれば、会話でも聞き手に回る事が多いですが、相手にしてみれば、自分の話をきちんと聴いてくれるので満足度が増します。
これは、人見知りにとっての長所になります。
そして、口下手だったとしても、表現は会話だけでするわけではありません。
行動で示す事も出来るのです。
人見知りの性格はデジタル時代に向いています
ここ数年前より、インターネットが急速に普及し、コンピュータへの依存度が高くなり、SNSといった非対面でのコミュニケーションが求められています。
このような時代では、人見知りという性格が社会に合致しているともいえます。
例えば、内向的な人の場合は、メールなどの文章やテキストでのやり取りを好むので、人見知りな人でも、論理的な思考力や文章による表現力を磨けば、
その才能を発揮できます。
そのため、人見知りという自分の特質を生かせば、うまくいくのです。
あえて、自分の性格を無理して変える必要はないのです。
成功している人は、自分の資質や適性を活かせる職業を選んでいるから活躍できるケースが多いです。
そこで、自分というものを知り、その性格に応じた努力が苦でない環境を選ぶのが成功への近道になると考えます。
人見知りのコミュニケーション術
パーティーでは、こういう事があります。
なかなか初対面の人に話しかけられず、パーティーなどのイベントに参加しても、楽しめず、そこで過ごす時間が苦痛と感じる人もいます。
しかし、もちろんそんな風に考える必要はなく、出席すればOKと考えて、無理に話しかけずにリラックスしてその場を楽しんで、場合によっては、
ひとりの時間を積極的に楽しんで、ひたすら食べて飲んだり、相手の話を聞く側に回れば良いとしています。
また、人見知りであれば、どうすればうまく話せるかではなく、どうすればうまく伝えられるのかを考えるのです。
相手との関係で大切なことは、自分の思いを相手に届ける事です。
それには、話し方も大切ですが、伝え方の方が大切です。
会話術に長けていなくても、伝えたい事を伝えられれば良いのです。
また、会話をするにしてもそうですが、人前で恥ずかしいと思うのは、思い込みや妄想の場合が多いです。
自分が思っているほど、周囲は自分を見ておらず、そんなに気にされていないものです。
そのため、相手を楽しませる事を目指さないで、自分がリラックスする事を考えるのです。
そして、沈黙は悪いことではなく、お互いで共感できるものを見つけ、良い聞き手になるのです。
また、自己主張にもコツがあります。
例えば、交渉をするにしても、人見知りであれば、相手のペースに合わせたり、話術に引き込まれたりすることがあります。
しかし、そんなことは気にする必要はないのです。
相手に悪いと思って、相手にとって都合の良い回答をするのではなく、あえてその場で即答をしないようにします。
また、無理に話して、相手のペースに引き込まれないように沈黙してみると、相手から話を繋いで自分に有利な展開に導く事もあります。
このように、人見知りならではのコミュニケーション術もあるのです。
人の頼みを断ったら嫌われると思う必要はありません
コミュニケーションが苦手な場合には、ついつい相手の頼みや願いを受け入れてしまい、後で後悔する人もいます。
ところで、その頼みや願いを断ったらどうなるのでしょうか。
そもそも、断らない人は好きだが、断る人は嫌いだと考える人は、自分の都合しか考えていない場合が多いです。
そして、そのような人は自己中心的あり、自己中心的な人と付き合っても損するだけなので、嫌われたら、かえってせいせいするくらいの考えで良いのです。
そのため、自己中心的な人と関わったら、その人に嫌われたらどうなるのか、嫌われた場合には、どのように対応するのかを考えれば、過剰に相手に配慮しなくて済むのです。
孤独のメリット
人見知りでいるという事は、孤独の時間を受け入れる事でもありますが、孤独というのは、その人をプラスに導いてくれます。
孤独は人生のエネルギー源であり、自分らしく生きる原動力になります。
そして、孤独力とは、社会の中で人と関わりあいながらも、常に自分の意志を主軸に置いて自己責任で生きる力です。
この力を持つからこそ、強く生きられるのです。
同調圧力から開放されて、成長する時間を手に入れ、伸び伸び生きる
人に合わせないと、孤立したり、嫌われたりすると考える事があるかもしれません。
しかし、人に無理に合わせずに生きると、周囲の評価も好き嫌いがはっきり分かれるので、自分にとって大切な人とそうでない人とを見極める事が出来ます。
自分の元を去る人がいる一方で、親密になれる人もいるお互いの考えを認め合えれば、他人からの陰口や批判も無視出来ます。
そして、自分を見つめ、内省と内観によって自分の価値観や社会との関わりを理解して、自分の状況をありのまま好意的に受け止める事により、幸せな人生を手に入れるのです。
恋愛や結婚戦略についても書かれています
この著書には、人見知りならではの、恋愛術や結婚の戦略も書かれています。
自分が戦える領域を知って、自分が求める恋愛や結婚を手に入れるコツも書かれています。
人見知りに限らず、自分自身の性格を受け入れて、思考と行動を変えて成功を目指して幸せを手に入れる
人見知りでもそうでなくても、自分の性格を知り、自分なりの哲学を持つことで、自分なりの成功と幸福を定義して、それを実現する方法を考える事が出来ると午堂氏は考えています。
また、成功に必要なのは、自分の性格や個性を大事にして生きる姿勢であり、自分が生きがいを感じる環境に身を置く又は自らそういう環境を作り出すことが大切であるとしています。
そして、幸せな状態とは、自分らしく生きる事であり、その幸せを手に入れるのですが、最初は成功を目指します。
そこで、成功するためには、物事の受け止め方や考え方を変えなければならず、自らの思考習慣と行動習慣を変える必要があり、その成功過程で、自動的に幸福を感じやすいマインドが獲得されるとしています。
成功と幸せを手に入れる気づきを得る事が出来る良著です
自分の性格を大切にして、自分の生きがいを実感できるような人生を送り、自分自身ならではの幸せを手に入れる。
そのような素晴らしい事を気付かせてくれる良著であり、今だけでなく、これから何年・何十年も多くの方の手に取って頂きたい書籍になっています。
午堂登紀雄様
ありがとうございました。