
目次
1. はじめに
経営者や経理担当者が金融機関担当者と話をする際、
「利益が出ている」
「今期は黒字です」
と話す事があります。
しかし、銀行が見ているのは他にもあり、
「将来の資金繰りに無理がないか」
「継続して返済できる状態にあるか」
といった“お金の流れ”です。
利益が出ていても、事業資金が足りなければ、返済はできません。
今回は、会社が意識しておくべき資金管理の“予測力”と“説得力”について、
金融機関が重視する視点からご紹介します。
2. 内容
■ 金融機関が重視するのは「将来の資金計画」
金融機関は以下の点を中心に、企業の将来性を判断しています。
・今後の入金予定(売掛金回収・売上見込み)
・今後の出金予定(仕入・人件費・借入返済など)
・キャッシュの増減見通し
・ショートするタイミングがないか?
つまり、「将来のお金の流れをどう見せる事ができるのか」が重要なのです。
■ 「予測」と「実績」をつなげる資金繰り表
資金繰り表は、単なる管理表ではありません。
金融機関からすると、以下の点が明確に読み取れると好印象につながります。
ポイント | 見られる視点 |
---|---|
実績反映の有無 | 管理が現実に即しているか |
入金遅れ反映 | 売掛金の未回収リスクを把握しているか |
費用の見込み | 固定費・変動費の区分が明確か |
借入予定記載 | 調達と返済の整合性が取れているか |
つまり、、、
予測の正確さとロジックの明確さが、
経営の信頼性
に繋がります。
■金融機関に対して鍛えるべき「説得力」とは
資金繰り表を作るだけでなく、金融機関に「説明できる」ことが重要です。
例えば、こうした説明ができるかがポイントになります。
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「この月は入金が集中するため、返済に充てる予定です」
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「大口仕入れが一時的にありますが、来月売上として回収されます」
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「固定費の圧縮を図り、支出増を補います」
これらを自信を持って伝えることで、金融機関に「この会社は先を見て動いている」と認識されます。
■ 経理部門の“攻めの資金管理”
そして、資金管理は守りだけでなく、“攻め”の一手にもなります。
例えば、
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借換提案や返済スケジュール変更の交渉
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補助金や助成金の受給に合わせた支払計画
-
運転資金の追加調達時期の判断
こうした戦略的判断を行うためにも、経理が資金の“今”と“未来”を描けている必要があります。
3. まとめ
銀行は「利益」だけでなく「お金の流れ」にも注目しています。
その中でも、会社が作成・管理する資金繰り表は、会社の“将来の信頼”を示すツールです。
見せ方・説明の仕方ひとつで、金融機関からの評価は大きく変わります。
会社が金融機関に対して、“説得力のある数字”と“根拠のある計画”を備えていることは、
会社の資金調達力を高める武器とななります。