江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

「リバースチャージ方式」の概要についてご案内します

「リバースチャージ方式」の概要についてご案内します

消費税の課税対象を考える際には、三つの取引を考える必要があります

消費税は、全ての取引に対して課税されるというわけではありません。

消費税が課税される対象には、大きく三つあります。

一つ目が、事業者が行う国内取引です。

そのため、この国内取引を課税の対象にするという事から、国外取引は、課税の対象とはなりません。

そして、さらに、この国内取引の中で、「資産の譲渡等」と呼ばれるもののうちに、課税取引や免税取引と非課税取引があり、消費税が課税されるもの、免税とされるもの、非課税として課税されないものに分けられます。

なお、この資産の譲渡等とは、国内取引に事業者が
・事業として
・対価を得ておこなわれる
・資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供
が該当します。

つまり、国内取引で上記の要件に該当する資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供の中から、課税・免税・非課税というように消費税の取り扱いを区分するのです。

二つ目が、輸入取引です。

この輸入取引には、課税取引とされるものと非課税取引があります。

そして、一定の課税貨物を保税地域から引き取った場合に消費税が課税され、非課税とされている外国貨物を保税地域から引き取った場合には、消費税は非課税とされるのです。

このように、消費税が課税されるのかは、誰がどのような取引をしているのかによって決まっているのです。

そして、三つ目が、リバースチャージ方式によるものであり、こちらについて説明します。

リバースチャージ方式とはどのようなものか

ところで、リバースチャージ方式に対して消費税の申告納税が関係してくるのですが、そもそも、リバースチャージ方式とは、どのような内容なのでしょうか。

このリバースチャージ方式とは、消費税の課税方式の事であり、

消費税の申告や納税義務を、役務の提供を行なった国外事業者ではなく、その役務の提供を受けた、

つまり、

課税仕入れを行なった事業者に消費税を課税するものです。

そして、この役務の提供に関しては、上記の説明のとおり、輸入取引は外国貨物の引き取りに関するもののため、国内取引にのみ関係してきます。

以前はリバースチャージ方式に関する消費税の申告納税の規定はありませんでしたが、インターネット等の電気通信回線を介しての取引が頻繁に行われるようになり、また、その取引が多岐にわたり、そして、複雑化した事等が背景で、規定がされるようになりました。

加えて、インターネット等の電子媒体を活用した国際商取引も発生してくると、その取引によって発生した収益に対して、どの国がどのように課税するのかの判定が難しくなります。

A国とB国の間で消費者間で電子媒体での取引が行われた場合や、事業者と消費者間で電子媒体での取引が行われた場合には、モノをやり取りしているわけではなく、電子媒体でやり取りをされていることになります。

しかも、その国際間の取引を全て把握するのが難しくなってきて、しかも、その取引に対して、各々の国での課税の対象となる税金の種類が異なったり、または、そのような国際間取引に対して課税されないケースが出てきたとしたら、課税の不公平感が出てきたり、国の税収が減る要因にもなります。

そのため、現代の経済情勢や取引に応じた課税体制を整えるために、今回のリバースチャージ方式が設けられる事となりました。

それでは、ここからは、そのリバースチャージ方式の内容についてみていきます。

リバースチャージ方式の対象となる取引

リバースチャージ方式の対象となる取引には、
・国外事業者がおこなう
・事業者向け電気通信利用役務の提供及び特定役務の提供
が該当します。

そして、この取引の事を「特定資産の譲渡等」といいます。

なお、特定役務の提供とは、
・国外事業者が行う
・映画若しくは演劇の俳優や音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち
・その国外事業者が他の事業者に対して行うもの
をいいます。
(不特定かつ多数の者に対して行う役務の提供を除きます)

これには、例えば、国外事業者が対価を得て芸能人として行う映画やテレビへの出演等が該当します。

特定課税仕入れとは

さらに、事業者が国内で行った課税仕入れのうち、特定資産の譲渡等に該当するものが、
「特定課税仕入れ」
と呼ばれ、この特定課税仕入れを行なった事業者に対して、リバースチャージ方式による消費税の申告納税義務が発生するのです。

特定課税仕入れは、国内で行われる資産の譲渡等の取引とは異なります

ところで、特定課税仕入れを行なった場合には、リバースチャージ方式による消費税の申告納税が発生するとの事ですが、冒頭で、国内取引で消費税の課税の対象となるのかどうかは、

・事業者が
・事業として
・対価を得ておこなわれる
・資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供
を行なった場合に該当すれば課税の対象になる旨説明しましたが、ここでいう国内取引と特定課税仕入れとは異なるという事を理解して頂く必要があります。

国内取引に関して役務の提供でいえば、役務の提供を行なった事業者が消費税の申告や納税を原則的にするのですが、

リバースチャージ方式の場合には、国外事業者から「役務の提供を受けた」事業者が消費税の申告や納税をするのです。

そのため、リバースチャージ方式と国内取引として行われる資産の譲渡等は切り離して考える必要があります。

つまり、消費税の課税の対象は国内取引と輸入取引に分けられてその中から消費税が課税されるのかをみていくことになりますが、

別の話として、特定課税仕入れをおこなった事業者に対してもリバースチャージ方式による消費税の申告納税の話が出てくるという事です。

そして、このリバースチャージ方式による申告納税が必要となるか否か、そして、どのように納税する消費税額を計算するのかについては、

さらに法律で要件が規定されていますので、この詳細については、次回以降のブログにてご案内します。

弊所ブログ独自の視点

リバースチャージ方式という消費税の取り扱いは、上記のご案内のとおり、昔は規定されていないものでした。

それが、インターネットの普及に伴い、国際間の取引を容易にして、商品やサービスの売買を可能に、そして、低コストにする事が出来、その取引に対する税金の徴収漏れが出る事があり、また、国際間の取引であれば、どの国が税金を取れば良いのか、又は、双方の国で税金を取らなければならないといった事も出てきてしまいます。

国と国との間での課税の公平は必要ですが、納税者の負担も大切です。

必要以上に税金を納める事にならないように配慮しなければなりませんし、税金の問題で国際間の取引が委縮して、市場が縮小しては経済の活性化にもつながりません。

そして、今後も国際間の新たな取引形態が生まれますので、そのような場合にも対応できるように税制が整備され、そして、その税制を踏まえた上で、国際間取引を活性化して頂きたいと思います。

記事執筆者

税理士 佐藤充宏
東京都江東区で税理士事務所及びファイナンスコンサルティング会社を経営している佐藤充宏と申します。

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