江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

消費税はどのような取引に対して課税されるのかにつき、分かりやすくご案内します。

消費税はどのような取引に対して課税されるのかにつき、分かりやすくご案内します。

消費税は、全ての取引に対して課税されるわけではありません

消費税の税率が10%になってから半月近くが経過します。

買い物をする際には、10%に増税となった感覚を実感しますが、全ての取引について消費税が課税されるのでしょうかというと、そうではありません。

消費税法という法律で、消費税が課税されるものや課税されないものが決まっています。

そのため、買い物をした後のレシートや領収書を見ると、「課税」と表記されているものや「非課税」と表記されているものがあります。

消費税の課税対象をご案内します

消費法では、消費税が課税される対象のものとして、次のように定義しています。

消費税法第四条
(課税の対象)
国内において事業者が行つた資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。
2、保税地域から引き取られる外国貨物には、この法律により、消費税を課する。

消費税の条文をそのまま読むと難しいですが、消費税の課税の対象は、

国内取引と輸入取引の各々について決められているというイメージになります。

これはどういう事かというと、取引が行われた場所に関しては、次のような取り扱いになります。

国外で行われる取引については、消費税の課税の対象とはなりません

消費税は、輸入取引を除いては、国内取引が課税の対象となっています。

そのため、国外で行われる取引には、消費税が課税されることはなく、「不課税取引」として取り扱われています。

例えば、日本国内のスーパーで買い物をすれば、課税の対象となりますが、

外国のスーパーで買い物をしても消費税の課税の対象とはなりません。

消費税の課税の対象となるもののうちに、非課税取引があります

 

消費税の「課税の対象」というと、そのまま消費税がかかってしまうという風に捉えられがちですが、

実際にはそのような事はありません。

課税の対象となったものの中から、さらに、消費税法の中で、取引を区分して、最終的に消費税を取るのかを決めているのです。

そのため、課税の対象となるものからさらに区分される取引に含まれるのが

「非課税取引」

です。

消費税の課税の対象が消費税法で規定されている旨先述しましたが、この課税の対象となっているもののうち、一定の取引を「非課税取引」と規定しています。

非課税取引の一例をあげると、

国内取引では、

一定の土地の譲渡及び貸付け、住宅の貸付け、社会保険医療の給付、介護保険サービスの提供

などがあります。

これらの取引の場合には、消費税が課税される事はありません。

そして、この非課税取引は、その取引の性格や社会通念上から見て決まっているのです。

非課税取引を除いた課税対象取引のうちに、免税取引があります

 

これは、どのような取引が該当するのかというと、「免税」という言葉から連想されるように、一定の輸出取引等が該当します。

例えば、日本で製造した製品を海外諸国へ輸出する場合が、この輸出取引にあたり、免税取引となります。

そして、課税対象取引の中に免税取引があるのですが、果たして、消費税は取られるのでしょうか。

免税取引は、消費税率がゼロ%で課税されるというイメージです

免税取引に対して消費税が取られてしまうと、結局消費税を負担してしまう事になります。

そこで、考え方としては、

消費税率が「ゼロパーセント」で課税されると考えるのです。

消費税に関する取引の一覧をご紹介します

ここで、消費税の取り扱いを考える上で区分しなければならない上述取引を一覧でまとめたものを記載致します。

事業者が行う取引 国内取引 資産の譲渡等(課税の対象)に該当する 課税資産の譲渡等 課税取引
免税取引
非課税取引
資産の譲渡等(課税の対象)に該当しない 不課税取引
国外取引 不課税取引

※国内取引については、資産の譲渡等のうち、特定資産の譲渡等に該当するものは、特定課税仕入れとして役務の提供を受けた事業者に納税義務が課されます。

そして、輸入取引については、次のとおりとなります。

輸入取引 課税取引
非課税取引

 

消費税の対象となる取引を最初に分けるようにしましょう

このように、消費税には、

「課税の対象となる取引と課税の対象とならない取引」

があり、

さらに、課税の対象となる取引のうちに、

「非課税取引と課税取引」

があります。

そして、国内取引の場合には、課税取引のうちに

「ゼロパーセントで消費税が課税される免税取引がある」

というイメージになります。

 

今では、ほとんどの会社がコンピュータ処理で会社の経理や税金の計算をしていると思います。

そして、金額や取引内容を入力するだけではなく、消費税の区分も入力するのですが、いくつもの区分があります。

不課税、免税、非課税、課税など。

その他にも取引に応じて区分がさらに分かれますが、消費税の区分入力を誤ってしまうと、実際の消費税の納税額も誤ってしまうことがありますので、注意が必要です。

上述のように、消費税の取引区分を事前に分けてデータ登録をして、誤りのない消費税の計算をするようにしましょう。

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