目次
はじめに
個人事業者の場合は、今回令和4年分の
所得税は令和5年3月15日まで、
消費税及び地方消費税は令和5年3月31日まで
に申告納付義務のある方は、申告納付を済ませます。
(振替納税の場合には振替日は異なります)
これらの申告手続きを完了させると、ひと段落する事と思います。
そして、来年の同様の時期に今度は令和5年分の確定申告をするというイメージを持ちます。
しかし、一定額以上の申告納付額が出ている場合には、次回の確定申告の前にやらなければならないことが出てくることがあり、
そして、この時期になると、税務署から消費税の中間申告に関する申告書と納付書が届く場合があります。
そこで、今回は、個人事業者の場合の消費税中間申告についてご紹介します。
消費税の中間申告制度
概要
消費税の課税期間は、原則として1年ですが
中間申告制度
というものが設けられています
中間申告の対象となる個人事業者
中間申告書の提出が必要な事業者は、個人の場合は前年(以下「前課税期間」といいます。)の
消費税の年税額が48万円を超える者が該当します。
なおこの場合の消費税は、「地方消費税は含みません」。
直前の課税期間の消費税額と中間申告回数、申告納付期限
1.直前の課税期間の確定消費税額(中間申告対象期間の末日までに確定した消費税の年税額です。以下同じ。)が48万円以下の場合
原則として、中間申告は不要です。
※任意の中間申告制度があります。
2.直前の課税期間の確定消費税額が48万円超から400万円以下の場合
年1回の中間申告が必要です。
中間申告の提出・納付期限:各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内
中間申告での納付税額:直前の課税期間の確定消費税額の6/12
3.直前の課税期間の確定消費税額が400万円超から4,800万円以下の場合
年3回の中間申告が必要です。
中間申告の提出・納付期限:各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内
中間申告での納付税額:直前の課税期間の確定消費税額の3/12
4.直前の課税期間の確定消費税額が4,800万円超の場合
年11回の中間申告が必要です。
中間申告の提出・納付期限:上記2・3とは異なります。
(1)1月から3月分 → 5月末日が中間申告の提出・納付期限
(2)4月から11月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内が中間申告の提出・納付期限
中間申告での納付税額:直前の課税期間の確定消費税額の1/12
なお、直前の課税期間の消費税額と中間申告回数、申告納付期限については、
次の留意点があります。
1.課税期間の特例制度を適用している事業者は、別途定めがあります。
2.中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付します。
3.その他、法律に基づき一定の定めがあります。
仮決算に基づく中間申告納付
上述の中間申告納付額は、直前課税期間の確定消費税額に基づきますが、
「中間申告対象期間」を一課税期間とみなして仮決算を行い、
それに基づいて納付すべき消費税額および地方消費税額を計算して、申告納付する事もできます。
(計算した税額がマイナスでも、還付を受けることはできません。)
なお、この方法の場合にも、簡易課税制度の適用があります。
中間申告と確定申告との関係
中間申告とは別に確定申告を行わなければなりません。
そのため、申告回数は、上述の中間申告回数プラス確定申告となります。
そして、申告による納付税額は、次のような計算イメージになります。
例1)
年税額:150万円
中間申告納付税額計:130万円
確定申告による納付税額:20万円(150万円マイナス130万円)
例2)
年税額:100万円
中間申告納付税額計:130万円
確定申告による還付税額:30万円(100万円マイナス130万円)
その他
上述の内容は、概要に基づくものであり、実際には、法令に基づき一定の取り扱いが定められています。
そのため、上述の内容以外の別段の定めの適用がされる場合があるので、
実際には、個別の内容に応じて、税理士等の専門家に確認をしましょう。
まとめ
個人事業者については、8月上旬に消費税中間申告に関する申告書や納付書が届く場合があります。
確定申告以外に中間申告が必要となる方は、期限内に申告納付手続きを済ませましょう。
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