昨日12月16日に令和5年度与党税制改正大綱が決定しました。
目次
基本的な考え方
次の項目等をベースとして税制改正項目が盛り込まれているので、各項目の改正については、これらの基本的な考えに基づいて決まったという事を
イメージしながら改正内容を調べると、分かりやすいです。
1.成長と分配の好循環の実現
2.経済のグローバル化・デジタル化・グリーン化への対応
3.地域における活力と安全・安心な暮らしの創造
4.経済社会の構造変化も踏まえた公平で中立的な税制への見直し
5.円滑・適正な納税のための環境整備
6.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
そして、以前からメディアでも報道されていた内容で、今回の改正に盛り込まれた部分をいくつかご紹介します。
NISA
抜本的な拡充・恒久化をし、貯蓄から投資への流れを推進するために、次の内容を反映させる。
・非課税保有期間を無期限化
・成長投資枠を創設:年間投資水準を現行の計120万円から360万円に拡大
・生涯にわたる非課税限度額を現行の800万円から1800万円に拡大
スタートアップ支援
次のようなケースの場合、株式譲渡益に課税しない制度を創設し、その上限額を20億円とする。
・保有株式の譲渡益を元手に創業者が創業した場合
・エンジェル投資家がプレシード・シード期のスタートアップに再投資した場合
防衛力強化
・法人税に税率4~4.5%の新たな付加税を課税する
なお、課税標準となる法人税額から500万円を控除し、年間所得2400万円以下の中小法人は課税対象から除外される。
・所得税に新たに税率1%の付加税を課し、復興特別所得税の税率を1%引き下げる。
今後の税制改正の流れ
例年の流れから、今回の与党税制改正大綱を受けて今後は次のようなプロセスとなる予定です。
税制改正大綱の閣議提出
↓
閣議決定した「税制改正の大綱」に基づき、
・国税の改正法案は財務省
・地方税の改正法案は総務省
が作成
↓
改正法案を国会に提出
↓
国会での所定のプロセスによって可決
↓
改正法案が成立
↓
改正法に定められた日から施行
その他
今回の案内は、令和5年度与党税制改正大綱の内容に基づくもので、最終的な決定事項ではありません。
今後は所定のプロセスを経て税制改正の具体的な内容が決定しますので、現時点では改正が予定されている内容をチェックし自社にとってどのような影響があるのかを
事前に確認しましょう。
まとめ
昨日令和4年12月16日に令和5年度与党税制改正大綱が決定しました。
NISAの拡充・恒久化やスタートアップ支援、防衛力強化にかかわる財源確保のための税制措置等が盛り込まれた形となりました。
今後は所定のプロセスを経て税制改正法案が成立し施行されることとなるので、現時点では改正が予定されている内容をチェックし、
自社にとってどのような影響があるのかを事前に確認しましょう。
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