個人住民税の計算の際に
家屋敷課税
というワードがたまに出てくることがあります。
あまり聞き慣れない言葉ですが、どのようなものなのでしょうか。
目次
市町村民税の納税義務者等に関する法令
地方税法
第294条 市町村民税の納税義務者等
市町村民税は、第1号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額により、第3号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額により、
第2号及び第4号の者に対しては均等割額により、第5号の者に対しては法人税割額により課する。
一 市町村内に住所を有する個人
二 市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
三 市町村内に事務所又は事業所を有する法人
四 市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下この節において「寮等」という。)を有する法人で当該市町村内に事務所又は事業所を有しないもの
五 法人課税信託(法人税法第2条第29号の2に規定する法人課税信託をいう。以下この節において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で
市町村内に事務所又は事業所を有するもの
2 前項第1号の市町村内に住所を有する個人とは、住民基本台帳法の適用を受ける者については、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいう。
3 市町村は、当該市町村の住民基本台帳に記録されていない個人が当該市町村内に住所を有する者である場合には、
その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。
この場合において、市町村長は、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知つたときは、その旨を当該他の市町村の長に通知しなければならない。
4 前項の規定により市町村民税を課された者に対しては、その者が記録されている住民基本台帳に係る市町村は、
第2項の規定にかかわらず、市町村民税を課することができない。
5 外国法人に対するこの節の規定の適用については、恒久的施設をもつて、その事務所又は事業所とする。
6 第296条第1項第2号に掲げる者で収益事業を行うもの又は法人課税信託の引受けを行うものに対する市町村民税は、
第1項の規定にかかわらず、当該収益事業又は法人課税信託の信託事務を行う事務所又は事業所所在の市町村において課する。
7 公益法人等(法人税法第2条第6号の公益法人等並びに防災街区整備事業組合、管理組合法人及び団地管理組合法人、マンション建替組合及びマンション敷地売却組合、
地方自治法第260条の2第7項に規定する認可地縁団体、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第7条の2第1項に規定する法人である政党等
並びに特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。)のうち第296条第1項第2号に掲げる者以外のもの及び
次項の規定により法人とみなされるものに対する法人税割(法人税法第74条第1項の申告書に係る法人税額を課税標準とする法人税割に限る。)は、
第1項の規定にかかわらず、これらの者の収益事業又は法人課税信託の信託事務を行う事務所又は事業所所在の市町村において課する。
8 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、かつ、収益事業を行うもの(当該社団又は財団で収益事業を廃止したものを含む。
以下市町村民税について「人格のない社団等」という。)又は法人課税信託の引受けを行うものは、
法人とみなして、この節(第321条の8第62項から第78項までを除く。)の規定中法人の市町村民税に関する規定を適用する。
9 第6項から前項までの収益事業の範囲は、政令で定める。
家屋敷に対しての課税
上述の地方税法第294条第1項第2号で、
二 市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
とあります。
この中で家屋敷というワードが出てきています。
そして、地方税法第294条第1項本文で、
市町村民税は、第1号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額により、第3号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額により、
第2号及び第4号の者に対しては均等割額により、第5号の者に対しては法人税割額により課する。
とあり、第2号に該当する場合には市町村民税は、
均等割額
が課税されるということになっています。
なお家屋敷とは、地方税法上は、
自己または家族の居住の目的で住所地以外の場所に設けられた住宅で、
必ずしも自己の所有でなくても、いつでも自由に居住できる状態である建物を指します。
なお、他人に貸し付けている場合は対象となりません。
なぜ家屋敷に課税されるのか
都道府県・区市町村に一定の住居等を持っている場合には、その家屋敷がある自治体から行政サービスを受けている部分があると考えられるため、
たとえ住民登録をしていなくても、一定の負担をして頂く必要があるという事等に基づきます。
まとめ
地方税法上、都道府県・区市町村に家屋敷を所有して一定要件に該当する場合には、住民登録をしていなくても、個人住民税が課税される事がありますが、
詳細は都道府県や区市町村、税理士等の専門家に確認をしましょう。
【前回内容】
住民税特別徴収のギモン47:奈良県奈良市のホームページでは個人住民税の申告要否等の判定フローチャートがあります
【次回内容】