3月決算法人であれば、令和4年度新事業年度が開始となった4月からの新しい事業年度に基づく予算編成は、既に令和3年度に実施をし、その予算編成に基づき、
4月からの事業活動を行っていることになります。
そして、4月の実績値がまもなく確定することにより、4月の予算額と実績額の比較ができるタイミングとなります。
予算編成は、各事業部門の過去の実績や今後の事業計画等に基づき実施しますが、事業部門によってはできる限り予算を獲得するために、
余剰を確保できるように申請をする場合がありますが、実際にはその分だけ会社の事業資金がその事業部門に偏ることになってしまいます。
事業資金には限りがあり、その資金を有効に活用しているのかを管理・牽制する仕組みとして必要なのが毎月の予実管理になります。
この予実管理は、予算と実績の数字を比較し、予算通りの業務内容や支払が行われているのか、または、予算と実績値の間に差異があった場合には、
なぜその差異が発生したのかを検証しなければなりません。
各部門ではできる限り予算を確保したいため、多めに予算申請をする場合があります。
しかし、会社の事業資金がその分流出してしまうことに繋がるため、組織全体としてはできる限り予算を抑えたいと考え、その牽制効果として働くのが、予実管理になります。
予算と実績の差異を分析することにより、もし、予算として申請をしていた分の経費や投資が実際には計上されていないとした場合、
その予算は消化できないことになります。
しかし、その消化できなかった予算を他の部門に当てることができれば、より事業の成長発展に繋がる可能性もありますので、予算の全体額の確保とその割り振りは
会社にとって重要なプロセスです。
予実差異が発生するということは、その事業部門の管理体制が問われる事になります。
そのため、各事業部門は適正な予算編成をするとともに、毎月の予実差分析をしっかりと行い、自部門の実績を把握することはもちろん、予実差が発生してしまった際には、
その発生した事に対する管理責任をシビアに受け止めなければなりません。
新たな予算編成が実施された新年度初月は、気持ちを新たに引き締めて、予算額と実績額の比較分析を行いましょう。