事業年度末になると、年度当初に確保していた予算が消化されているのか、あるいは、消化されていないのかというチェックが社内で行われます。
予算というのは、その言葉の通り、
「予め算定されたもの」
になります。
そのため、あらかじめ算定されたものと実際の金額とに差額が生じる場合があります。
そして、予算が消化された場合には計画通りの事業実施ということになり、未消化の場合にはその未消化の内容について問われる場合があります。
そこで、今回は予算が未消化となった場合の考え方についてご紹介します。
予算未消化の非
予算を確保するということは、会社の事業資金の内の一部をその予算に充てるために投資するということになります。
そして、その投資に対する効果を何らかの形で回収します。
例えば、A 部門に予算が8000万円割り当てられても、 A 部門が結果として未消化の予算が3,000万円あった場合にはどうなるでしょうか。
B部門へその3000万円が配分されていれば、B 部門が計画していた事業を遂行でき、それが売り上げに貢献でき、売り上げを1億件計上できるかもしれません。
しかし、予算が割り当てられていなかったために、B部門ではその事業を行うことができず、収益獲得の機会を逃してしまうことになります。
予算編成当初の社内方針に基づいたとしても、計画通りに進まなければ、別の計画であれば、会社の業績向上につながることの機会を逸してしまったという考えもあります。
もちろん、事業年度が進行していくにつれ外部環境や社内方針が変更になることもあります。
しかし予算が未消化になるということは、その未消化となった事業資金を本来どのように使っておけば良いのかということについては、進行年度予算の再編成や
次年度以降の予算編成において会社では検討し直さなければならない場合もあります。
予算未消化の是
予算が消化されていないということは、計画と実績値との差額があるということになります。
ところで、予算未消化では、次のようなケースがあります。
海外取引に充てた予算が為替相場の変動により会社が負担する投資額が予算編成時より3,000万円減少することもあります。
これは、会社がコントロールできるものではないケースも往々にあります。
すると、この余った3000万円は予算としては未消化ですが、もちろん、会社としての事業資金もその分ストックされることになります。
また、その他にも、進行事業年度中の業務の効率化や経費の削減等により、予算編成時の投資額が実際の同投資に対しても金額が減少することも十分あります。
そして、その差額は業務の効率化や業務改善の成果として導き出されたものであるため、その場合もプラスに考えられる場合があります。
(予算編成時にその分を見越して、実績の見込み額に近い数値を予算編成時に織り込むべきだという考え方もありますが)
上述のように、予算編成時の金額と実績値で差額が生じ結果として予算の未消化が発生する場合もあります。
ここで大事なことは、予算の未消化がどのような内容・経緯で発生したものかを分析する必要があるということです。
そして、予算を獲得した部署の責任の所在を明確にしなければならない場合もありますが、来年度以降の予算編成にあたっての参考事項にするのはもちろんですが、
また、状況によっては、進行年度中の予算の一部再編成の検討もする必要が出てくる場合があります。
まとめ
予算の未消化が生じた場合には、その未消化の内容・経緯等を分析し、そして、状況によっては、
進行年度の予算の一部再編成や来年度以降の予算編成の参考事項として織り込むのを忘れないようにしましょう。