モノやサービスを販売する際の悩みの一つが、
「販売価格をいくらで設定するのか」
です。
高ければお客さんは買わないし、安ければ資金繰りに支障が出る。
販売数量が少なくても高単価で設定するのか、薄利多売でオペレーションを構築して低単価で設定するのか。
大変悩むポイントです。
この高単価設定と低単価設定での販売戦略については、機会がありましたらご案内しますが、今回は、この価格設定が自社のブランド構築に繋がるという事をお知らせします。
休日に銀座に行くと、老舗デパートやたくさんの物販店が立ち並び、歩行者天国が出来ている場所があります。
すると、その中で、高級ブランドのブティックビルを見ると、そのブランドのデザインがビルの足元からてっぺんまで見事に施されています。
汚れももちろんなく、遠くから見ても華やかさと高級さが伝わります。
そして、ブティックの入り口では、ドアボーイが扉を開けて、恭しく来店客を迎え入れます。
店内は見事なまでの装飾で、磨き上げられたディスプレイの中には、ブランドの商品が展示されています。
その商品を手に取る際には、ブティックのスタッフが、手袋をはめて、大切そうにディスプレイから取り出し、お客さんに手に取ってもらいます。
いくつもの商品からチョイスするのであれば、立派なソファに座って、目の前のテーブルに並べられた商品を、スタッフから丁寧な説明を受けて見定めをします。
そして、最後に、買いたい商品を買いますが、もちろん、自分からレジに行くことはせずに、スタッフがその場で手続きをします。
会計を済ませると、ロゴが印刷された品格のある手提げ袋の中に箱に納められた商品が入っていて、店外に出る際には、ドアボーイがドアを開けて、スタッフが外まで見送りをします。
買い物をした自分は、買い物した商品が入った手提袋を手に持ち、又は、肩に掛けて、満足して軽やかに歩きます。
この満足度は、販売戦略からも色々な点から説明が出来るのですが、価格設定という事でいうと、単純にその購入した商品をそのブティックではなく、その他の町の雑貨店で同じ金額で購入するのかというと、そういう事はありません。
そのブティックで入店時から買い物を済ませて外へ出るまでのプロセスを含めてお金を支払っているのです。
そして、その値段でも買いたいというのが、そのブランドの価格になります。
外装が素晴らしく、接客も一流で、商品を包装する箱や紙袋も最高品質のものでなければなりません。
それが、そのブランドの価格です。
このブランドだったら、これだけのお金を払っても満足する。
というように、お客さんが納得する価格設定となっているのです。
この価格設定の考え方は、高級ブランドに限った事ではなく、自社についてもあてはまります。
自社ならではの価格設定というのが必ずあります。
そのため、価格設定が自社の商品やサービスの価値を決める尺度ともなりますので、機会がありましたら、販売価格と自社ブランドの価値の繋がりを考えてみてはいかがでしょうか。