効率的な資産活用制度として、「小規模企業共済」の制度があります
会社経営者自身の所得が増えたり、個人事業者の所得が増えたりすると、それに合わせて、税金の負担も増えます。
もちろん、税率が100%だというわけではないので、所得全額のキャッシュが手元に残らないわけではありませんが、せっかく努力して得た収入を1円でも多く手元に残したいものです。
そして、できれば、税金の負担を抑えながら、将来の生活資金を確保できるようなものがあれば良いとお考えの方がいらっしゃると思います。
そこで、国の機関が運営している制度で、
「小規模企業共済」
という制度があります。
国の機関が運営を担当しています
この制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度であり、国の機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
この小規模企業共済制度は、昭和40年に開始され、平成30年3月末日現在でのこの制度の在籍人数は約138.1万人です。(中小機構調べ)
これだけの人数が小規模企業共済を活用しているという事には理由があります。
その理由としてはいくつかありますが、今回は、そのうちの一つをご案内します。
それはは、
「掛金の全額が所得控除できる」
という事です。
個人の地震保険料や生命保険料は、年末調整や確定申告で所得控除という形で税金の負担を軽減できますが、これらの控除の場合には、
保険料として支払った全額が控除できるのではなく、一定額以上は控除できないのです。
これに対して、小規模企業共済であれば、年末調整や確定申告の際には、その掛金の全額を控除できるのです。
なお、この月々の掛金は、1,000円から70,000円の間で500円単位で自由に設定できて、
しかも、加入をしてからも、その掛金を増額したり減額したりすることも出来るのです。
(掛金の納付タイミングは、毎月払い・半月払い・年払いの3つがあります)
また、この掛金は前納する事も可能であり、前納すれば、一定額の「前納減額金」というものを受け取ることが出来、
1年以内の前納掛金は所得から控除できます。
なお、この掛金と控除できる額は、掛金の支払開始のタイミングや、増額・減額の変更タイミング、前納のタイミングによって、
所得から控除できる金額に差がある場合がありますので、詳しくは、独立行政法人中小企業基盤整備機構へお問い合わせください。
そして、注意点ですが、この小規模企業共済の掛金は、共済契約者自身の収入から払い込むので、
事業上の損金又は必要経費には算入できず、あくまで、「所得控除」としての取り扱いとなります。
このように、自身の収入やその年の状況に応じて、掛金額を柔軟に設定する事が出来、
全額所得控除できるというのが会社経営者並びに個人事業者等から活用される理由となっています。
第2回は、この小規模企業共済が活用されているその他の理由をご案内致します。