2019年3月9日付け発刊の東洋経済「狂乱キャッシュレス決済」を読みました。
今回は、注目度が高まっているスマートフォンによるキャッシュレス決済をメインテーマとして取り上げていましたので、こちらについて取り上げたいと思います。
昨年頃から「キャッシュレス」の言葉が、よくメディアで取り上げられるようになりました。
ちなみに、昨年は、ソフトバンクとヤフーが合弁事業としておこなっている「PayPay」の100億円キャンペーンが大きい影響を与えました。
支払い時にキャッシュレス決済額の20%を還元して、40回に1回の割合で全額還元するという概要で、家電量販店などは、このキャンペーンを利用しようという来店客が多く訪れました。
これにより、キャッシュレス業界では比較的新しいPayPayの参入により、競合の企業がそれに対抗するキャンペーンを続々と打ち出し、いわゆる「還元合戦」が繰り広げられるようになりました。
ところで、このキャッシュレス決済市場がなぜこれだけの過熱競争が行われているのでしょうか。
それは、このキャッシュレス決済の方法の一つがスマートフォンで行われるというのがポイントになります。
これはどのようなものかというと、
スマートフォン決済に関するデータを活用するというのが目的の一つにあります。
このスマートフォン決済が行われることにより、
誰が
いつ
どこで
どのような商品やサービスを購入したのか
という、
リアルの情報を収集して、そのデータを蓄積できるのです。
これは、
企業がマーケティングや営業活動を行うにあたり、精度を高くすることが出来るのです。
これにより、
消費者の信用評価であるスコアリングをする事により、企業が商品やサービスを提供する際の精度が飛躍的に高まります。
このスコアリングは、中国ですでに広まっていて、今後は日本でも広げようという動きになってきています。
そして、一方、このキャッシュレス浸透を国がサポートしているのです。
日本政府は、生産性や利便性向上を達成するために、キャッシュレス決済の数値目標を設定し、
2019年10月1日の消費税増税時から9か月という期間限定で、消費者に2~5%のポイント還元を行う事にしました。
この施策により、インターネット系や通信系のキャッシュレス決済事業者だけでなく
クレジットカード決済系の事業者のキャッシュレス決済のマーケットをより掌握しようという動きが出てきました。
更に、キャッシュレス決済を導入すると、
集客やデータ収集以外に、現金決済インフラの維持コストを削減する事ができるのです。
例えば、銀行のATM設置コストや小売業店などのレジ締での膨大なコストを削減できるのです。
これらの事により、キャッシュレス決済を取り巻く業界は、マーケットを掴もうと競争が繰り広げられている一方、既存業務に影響がある金融機関等の業界は対応を迫られています。
このように、キャッシュレス決済を取り巻くビジネスの成長スピードは速く、質も高くなっています。
「自社の業界には影響がないだろう」
と思っていても、いつの間にか影響を受けている場合もありますので、キャッシュレス決済が自社のビジネスにこれからどのような影響を与えるのかを、一度考えてみてはいかがでしょうか。