江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

金融機関と取引をしている事業者の方むけ:金融機関が交付する適格請求書(インボイス)の種類をご紹介します。

金融機関と取引をしている事業者の方むけ:金融機関が交付する適格請求書(インボイス)の種類をご紹介します。

はじめに

ほとんどの事業者は、金融機関に預金口座を開設し、金融機関と取引をしています。

そして、金融機関から書類の発行を受けることがありますが、令和5年10月1日以降の消費税インボイス制度の実施に伴い、

金融機関からは、適格請求書又は適格簡易請求書が交付されます。

金融機関から交付される適格請求書または適格簡易請求書

営業店の窓口で手続きをする場合

次の書類がインボイス制度の要件を満たしているものとなっており、

適格請求書または適格簡易請求書として保管する事になります。

各種手数料の領収書

例:振込手数料・融資関連手数料等

ATM及び両替機で手続きをする場合

これらの機械装置を用いての取引は適格請求書の交付義務が免除されるため、

インボイスの発行はしないこととなっています。

これは、いわゆる自動販売機特例の対象であるためです。

参考までに国税庁インボイス制度ホームページのQ&Aに次のように掲載されています。

 

(適格請求書の交付義務が免除される取引)

問 41 適格請求書の交付が困難な取引として、

交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。【令和5年 10 月改訂】

【答】
適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、

相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています

(消法57の4①)。

ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、

適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(消令70の9②)。

① 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送(以下「公共交通機関特例」といいます。)

② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売

(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)

③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売

(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)

④ 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等

(以下「自動販売機特例」といいます。)

⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

 

(自動販売機及び自動サービス機の範囲)

問 47 3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、

適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、

具体的にはどのようなものが該当しますか。【令和5年 10 月改訂】

【答】
適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機とは、

代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみで、

代金の受領と資産の譲渡等が完結するものをいいます(基通1-8-14)。

したがって、例えば、自動販売機による飲食料品の販売のほか、コインロッカーやコインランドリー等によるサービス、

金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービスのように

機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するものが該当することとなります。

なお、小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように機械装置により単に精算が行われているだけのもの、

コインパーキングや自動券売機のように代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるものの

資産の譲渡等は別途行われるようなもの及びネットバンキングのように

機械装置で資産の譲渡等が行われないものは、自動販売機や自動サービス機による商品の販売等に含まれません。

(参考) コインパーキングは、適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象とはなりませんが、

駐車場業(不特定かつ多数の者に対するもの)に該当することから、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することができます。

インターネットバンキングサービスやEBサービス・口座振替等で手続きをする場合

インターネットバンキングサービスやEBサービス・口座振替(自動引き落とし)等によって支払う各種手数料で、

金融機関から領収書等を発行されていないものについては、

次のものを保管することによって適格簡易請求書の記載要件を満たす運用とする事が考えられます。

・預金通帳等

・金融機関からのインボイス制度要件充足に関する追加情報の通知書類等

なお、金融機関により運用が異なる場合がありますが、適格簡易請求書の記載要件毎の確認方法については次のような運用が考えられます。

①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号→金融機関からのインボイス制度要件充足に関する追加情報の通知書類等

②取引年月日→預金通帳等

③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)→預金通帳等

④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)→預金通帳等

⑤税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率→金融機関からのインボイス制度要件充足に関する追加情報の通知書類等

その他

上述は概要でのご案内のため、実際の運用や詳細については、金融機関毎に異なる場合があるので、

不明点等は取引金融機関に確認をしましょう。

まとめ

消費税インボイス制度実施に伴い、金融機関との取引に関する適格請求書または適格簡易請求書の記載要件の充足方法等については、

金融機関からインボイス制度要件充足のための追加情報等の通知書等が発行されている場合や

営業店毎あるいはホームページ等で公開されている場合があるので、その内容に応じた運用をし、不明点等は金融機関へ確認しましょう。

 

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