目次
はじめに
金融機関から融資を受けるにあたっては、
審査
があります。
金融業界の中で定められている一定の基準や個々の金融機関で設定されている基準に従い、
担当営業支店や本部で、
融資を実行して良いのか
融資を実行できる限度額はいくらなのか
等を決めます。
この際に参考とする基準の1つが
信用格付け
です。
信用格付け
通常は次の区分によって格付けが決まります。
正常先
要注意先
破綻懸念先
実質破綻先
破綻先
この格付けについては、区分ごとにその定義が決まっていますが、
融資申し込みをする会社側としては決算報告書や事業計画書・資金繰り表等の提出書類が重要な参考資料となると考えていますが、
その他にも必要なものがあります。
経営者の人間性
金融機関は、顧客をサポートするために融資を実行していますが、これは、営業活動の一環として行われている面もあります。
融資を実行することにより、金融機関自身の業績を向上させ、今後の成長・発展に繋げなければなりません。
そのためには、融資した事業資金がきちんと回収される必要があります。
そこで、回収するためには、借り入れ申し込みをした会社が、将来的に返済が滞ることが無いのかを確認するために
適正かつ厳格な審査を行います。
この際に必要な参考資料はいくつもありますが、資料には表現できないものでも審査につまり信用格付けに影響すると言われるものがあります。
それが、
経営者の人間性
です。
会社は、多くの関係者の支えで事業活動が成立しています。
そして、その事業活動に関して、最終的な権限や裁量を有しているのが経営者です。
この経営者の判断によって、会社の将来の成長・発展が大きく変わります。
そして、経営者の土台となるものが、
人間性
です。
人間性によって事業活動が左右されることがあり、場合によっては会社の存続に影響を与えることがあるかもしれません。
そのため、金融機関は、数値上では読み取れない人間性も信用格付けの参考としていると考えられています。
その人間性が評価される項目としては、金融機関ごとに異なる部分がありますが、例えば
約束を守る。
社会のルールを守る。
従業員や取引先を思いやる。
等が考えられます。
経営者が約束を守ることができないのであれば、融資した金額を回収できないかもしれない。
社会のルールを外れる事業活動をしているのであれば、会社の存続が危ぶまれるかもしれない。
従業員を大切にしないのであれば、いつかは退職者が続出し、安定した商品やサービスを提供できない。
といったことに繋がるかもしれません。
金融機関営業担当者の視点
この金融機関の判断を最初に行う人は、営業担当者の場合が多いです。
定期的な会社とのコミュニケーションを取るのは、営業担当者が多く、
経営者と接する営業担当者が、経営者の人間性等についても、支店内で報告・共有します。
また、営業担当者の上位職や支店内のその他の担当職員のその経営者に対する考えというものも反映されます。
そのため、経営者が金融機関を見ているだけでなく、金融機関も経営者を見ているという点を経営者も知っておく必要があります。
まとめ
金融機関が融資申し込み者の信用格付けをするにあたり、経営者の人間性を参考とする場合があると考えられています。
今後の事業の継続・成長・発展につなげ、そして、融資した金額を約束通り返済してくれるかどうかは、
経営者の人間性に関わる部分もあります。
そのため、金融機関営業担当者や支店内の関係者では、経営者の人間性というものも見ているという事を
知っておきましょう。
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